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2006-09

野沢尚 – 深紅

なかなか凄い設定のミステリー。ある一家惨殺殺人事件を中心にその犯人の娘と惨殺された一家の生き残りの娘の生きる姿を描く。人を殺す・殺されるということは、いったいどういう経緯から生まれるのか、それを背負った家族はいったいどう生きていくのか?そんなこと想像すらできないし、考えたこともない。

現実には毎日のように人が死んでいく。報道ではその事実のみしか伝えはしないが、その向こうに被害者と加害者、そしてそれに翻弄されるのであろう数多くの人がいるというあたりまえのことをいまさらながらに思い知らされた。きっと事件の数よりその人数のほうが圧倒的に多いと思う。

怖い、ただただ怖い。

講談社 2003

野沢尚 - 深紅

野沢尚 – 深紅

スタンドアップ

男ってほんましょうもない生き物やな。がっかり。男ってサイテー。

やっとこさいまの時代になって職場におけるセクハラってのが一般常識になってるけれど、そんなのがなかった時代、法律的には男女の雇用機会は均等になっていても、それ以上のものはなかったのね。だから、とくに男社会でできていたような仕事場(この映画の場合は炭坑)では女性への差別が当たり前のようにあり、体力的にも人数的にも弱者の女性は蔑まされ、それを我慢するしかなかった。そういうのがかなり生々しく描かれていて、見ていて気分が悪くなる。

でもそういうところから立ち上がったひとがいた。それを事実をもとに描く。

嘘つきも弱いものいじめも嫌い。群れて弱者を封じ込めるやつらも嫌い。あぁ、気分悪い!

ちゅーか、なんでこんな邦題やねん。「NORTH COUNTRY」でえぇやないかぃ!

恋愛適齢期

楽しい映画だったなー。こういうタッチのコメディ?は好き。ダイアン・キートン、かわいいわぁ。

ま、なんでもないストーリーだけれど、ジャック・ニコルソン(おじいちゃんになったなぁー)がめちゃめちゃおちゃめでいい感じで見ててかなり楽しい。こんなおじいちゃんになりたい、と思ってしまう。恋敵がキアヌだけれど、これキアヌでなくていいんじゃないかなぁ、なんか合ってないような気がする。やさ男ぽいより若さあふれる感じのやつのほうがよりいい絵になる気がするなぁ。

最後に結局はハッピーエンドで終わってしまうけれど、ニコルソンがふられて悲しい終わり方(最後はセーヌ川だし)のほうがよかったなぁ。そこだけが不満。さびしいおじいちゃんに共感したかった!

江國香織 – 薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

ひさしぶりに江國さんの本。結構長編。9人の女性たちの恋、愛、情事などなどが、まるで最近のアメリカのテレビドラマのように(っていう表現しか思いつかない、ひとつの話の中で、時系列に、いろんな人物の視点で描かれてる)とつとつとつと書かれていく。そのなかで一人一人微妙にゆれて、それでも生活して、生きていってる。そんな普通の生活(?)の中にある微妙な心の変化、環境の変化、それらがふわっと描かれてる。

設定がややこしい割には(最初はわーっとたくさん人物がでてくるので誰が誰だか理解できなかったが)、江國さんの本にしては読みやすいように思う。一生懸命に行間を読んだりする必要がないからかも。

こういうのん読んでたら、女性ってやっぱりわかんないなーと思ったりしちゃう。男って単純、ほんと、わかりやすい。でも女性は普通に矛盾してたりする。それでバランスとってみたり、安定を求めても不安定でいたり、よくわからない。でもそういうのが魅力なのかもな、とか思う。

この話には9人の女性がでてくるが、これが見事にいろんなパターンの女性を演じていて、こういうのもあれば、こう考えるのもありよねー、とか思えて、すべての登場人物にシンパシーを感じてしまう。面白かった。ふわっと読めた。

集英社 2003

江國香織 - 薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

江國香織 – 薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

ラウンド・ミッドナイト

実は劇場公開以来みてなかったのだな。劇場にいったのが懐かしい(86年?)。えーーっ20年前かー。やっぱりあんまり憶えてなかった。でも「リコの3番を買ってくれ」という台詞にへぇぇぇーっと感心したのを憶えてる、リコの3番なんかー(笑)

あらすじはさておき、やっぱり主人公デイル・ターナーを演じるデクスター・ゴードンが格好よすぎ。映画の頭のほうでは(酒で調子よくないという設定)ちょっと元気ない風だが、途中からは元気に吹きまくってる。ちゅうか、音がめちゃくちゃいい、あんな音でません。そればかり感心してしまう。えぇ音やなぁ。それだけで泣けてくる。

酒をねだったり、子供とはしゃいだり、会話の端々に見えるチャーミングさ、おおらかな歩き方などなど、映画のようで、自伝のようで。晩年のデクスターそのものがスクリーンに見える。

フランソワ・クリューゼ扮するデイルの熱烈なファンぶり。いまとなってはおかしな人に見えるかもしれないえれど、あぁいう人もういなくなった。何事もクールな今、熱くなくて寂しい。やっぱりホットなんがいいな。

共演者として出てくる、ハンコックやビリー・ヒギンズ、ロン・カーター、ハバード、ショーター、ハッチャーソン、トニー・・・みんなめちゃくちゃ若い。なんかそれ見てるだけで泣けてくる。すでに世にいなくて聴けなくなった人がいる。音楽は人とともにあり、か。

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