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2008-04

田口ランディ – ひかりのあめふるしま屋久島

ランディさんの、たぶん、割と作家人生最初のころの作品、かな?不思議な縁(というかたんなる思いつきで)訪れた屋久島にみるみるうちにはまっていく作者が描かれたエッセイ。

海やら森って町からは遠い世界で、実は無意識には怖がっているのだが、こうやって、森や海の不思議、すばらしさ、自然の偉大さについて、こうもストレートに描かれると、畏怖をこえて、すばらしさを垣間みたような気がして、そんなものたちに触れたくなってくる。

実はすごく行ってみたい島なのだが、ランディさんも書いてるように、なんかこの島の場合、島に行くのではなくて、島に呼ばれるらしくて、そんなに遠くもないからいつでも行けるといえばいけるのだが、なんか行くまでに至らないのよね。でもいつか呼ばれてみたい!

幻冬舎 2001

ひかりのあめふるしま屋久島

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泣く大人 – 江国香織

江國さんの本。なにかに連載していた短編集。

4つのカテゴリーについていろいろ書いているのだけれど、中でもとくに”男友達”(男の友 達でも恋人でもなく)について書いた「男友達の部屋」という短編たちと、欲しいものをどんどこならべた「ほしいもののこと」という短編たちが好き。男友達 については、男の立場から、なるほどなー、とか、へー、とか、わからんのー、とか、わかるなーといろいろ思う事があるし、すきなものについては、 へーーー、と思う事ばかり。

この人はぼーっとしてると自分では言ってるけれど、実はかなりはっきりしてるひとなんちゃうかなーと思う。 自分がはっきりしてるし、自分の好きなもの嫌いなものなんかについてもすごくはっきりしてる。そしてそれらのものについて、すごく的確に適切に自分の立ち 位置、見方をもっていて、その感覚たちがすごくよく伝わる文章だし、こういう考え方(生き方というのかも)はすごく好きだ。

あまりこだわったりすることが少ないけれど、こういう風に生きられるのは、楽しそうでうらやましい。余裕のないところではなかなか難しい事だけれど。いつかこんな風になってみたい。そう思わせる短編たちだ。

角川書店 2004

泣く大人

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小川洋子 – 博士の愛した数式

映画になって、そのタイトルから気になっていたおはなし。映画見るよりやっぱり原作が読みたくて。

記憶が80分しか保持できない、過去に不幸な事故にあってしまって数学者と、その世話をするため派遣された家政婦母子、そして数学者の兄の家内であった老婦人。この4人の、微妙な、哀しささえ感じさせる美しい情愛をかわす姿が描かれた、とても心温まるおはなし。

数々 のいいシーンはあるけれど、やはりそれよりも、理系出身だからか、数字、数式などにぐっと惹かれてしまう。もう長い間わすれていた数字たちの美しさ。数学 者たちが編み出した美しすぎる公式たち。知れば知るほど不可思議な数字の世界。そこには人智をこえた神の智慧を感じずにはいられない。

そ ういった数字・数学の美しさを愛するように、かつて愛した恋人、そして新たに現れた家政婦たちを、その短い時間でしか知り合えない、そんなハンデを持ちな がらも、素直に心をかわす、そんな老数学者の姿に、いま自分たちが見落としてしまっている、手のひらにそっと包んでいなければならないような人の息吹、感 情、生き方を感じずにはいられない。

新潮社 2005

博士の愛した数式

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たかのてるこ – ダライ・ラマに恋して

たかのてるこのOL旅シリーズ第5段(だっけ?)

思わぬ大失恋から心にとびこんできたのが、ダライラマ14世の笑顔。それにひきつけら れ、「会いたい」の一心で、チベットを旅行し、そして現在ダライラマが亡命してるインドのラダックを訪れるお話。ちゅうかそんな願って会えるようなひとで はないのに、会えてしまうあたりが、このたかのてるこのすごさ、行動力、人間味あふれるパワーか。

読んでいるとこのひとの人柄がほんといいんだなー、正直で明るいひとなんだなーというのがすごく伝わってくる。おかげで読んでいるほうにもパワーや明るさを与えてくれてる気がする。流れ込んでくる、というか。

チベットやこのラダック、行ってみたいなーとおもうよりももっと、ここに住むひとたちと会って、その時間を体感したいなーと心底おもわせてくれる、楽しい旅行記。

ダライラマ、会ってみたいなー。
でも会っても、きっとなにも話せないやろな笑

幻冬舎 2004

ダライ・ラマに恋して

ダライ・ラマに恋して – Amazon

江國香織 – 雨はコーラがのめない


久しぶりに江國さん。

雨というのは愛犬。雨と音楽をききながら暮らす日常が描かれた31編からなる短編集。雨の無邪気な姿もさることな がら、一遍にひとつずつ紹介されるアルバム(アーティスト)がどれもすばらしい。もちろんほとんど聴いた事ない人たちばかりなのだが、その描写を読んでい ると、ほかのどんなレコード解説よりもよくその音楽の本質が伝わってくるようで、すぐにその音たちを聴きたくなってしまう。ほんとすばらしい描写だと思 う。

雨も音楽も愛していないとこんな文章はうまれてこないだろうな。

新潮社 2007

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