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2009-03

群ようこ – 猫と女たち

猫についてのショートエッセイたちと、女性を描いた短編集。

群さんの近所に住み着いてる猫たち、そして飼い猫のしい。猫を飼ってるもしく は猫大好きなひとならすっごくわかる、そんな話や描写ばかり。読んでいてほほえんでしまったり。そうやって町中にいる猫にたくさん出会える町に住んでるっ ていいなぁ。そんなかわいい猫たちとそれを取り巻く人々を実に実にほほえましく描いている文章がどれもかわいくていとおしい。猫好きなんだーってことがす ごく伝わってくる。あ、犬もね。

一方女たちを描いた短編集はなんだか別の人が書いたような。でてくるひとたちが実にリアルというか飾り気ないというか、小説っぽくない。実にずばっと入ってくるような文章なので、うろたえるというか「そんなんでいいのか?」と思ってしまう。でもどの人もすてきだな。

猫と女たち

猫と女たち

村上春樹 – 中国行きのスロウ・ボート

めちゃ久しぶりに村上さん。彼がデビューして間もない頃に書かれた短編たち7編。どの短編も村上さんぽい、なんとも抽象的なとらえどころのない、という か、すごく高尚なことを伝えようとしてるような気がするけれど、実はただの愚痴だった、みたいな、いったい何がいいたいのかわからないのだけれど、でも実 は一生懸命何かを伝えようとしているということは伝わってきてるような気がする、と思わせられる、でも実はなにもない、のような、文章。このレビュー自体 もそんな文になっちゃった。でも面白いのよ。理解をはずして、感覚や色やサウンドで追っていけば、なんだかすとんと落ちてきたりするのよね。不思議。「貧 乏な叔母さんの話」はたのしい。「最後の午後の芝生」はなんか男だけがわかる、若いときのアノ感じっぽい。

中国行きのスロウ・ボート

中国行きのスロウ・ボート

石田衣良 – 池袋ウエストゲートパーク6(灰色のピーターパン)


IWGPの6冊目。今回も4つの短編。今回もやっぱり面白い。ちっとも飽きない。やっぱりネタの面白さ、と、石田さんの話の切り口のつくりかた、そして魅力的なキャラクターたちがいるから、だろうなぁ。

とくに2編が気に入った。傷害の被害者と加害者の間をえがく「野獣とリユニオン」、無認可の保育園を取り巻く問題を描く「駅前無認可ガーデン」。当たり前に 存在している社会問題を、暗くなることなく、やたらとドラマティックすることもなく、両方ともうまくわかりやすく描いてるのがすごいとおもう。

仲間っていいな。

辻仁成 – いつか、一緒にパリに行こう

2003年からパリで暮らしている辻さんの、極々個人的なパリ初心者にむけたパリのガイド本、といったらいいのか、ただの「ぼくパリ好きだもんねー」的自 慢(?)本といったらいいのか(笑)。少なくとも彼にとってはパリ、そしてフランスはとても馴染みやすい魅力的な場所のようで、そこを愛する気持ちがあふ れている。パリ好きなのね。ま、似合ってるなぁ。

とりとめなくパリやらフランスの、風俗やら人々やらについて雑多にかいてある。ちょっと 文体が嫌みったらしい感じもしなくはないけれど、でも、それでも、「あ、パリってフランスって刷り込まれてるイメージとはちょっと違って、あれ?素敵か も?」なんて思えてくるあたりはさすがというか。とくにフランス人に関しての観察(恋愛感であるとか、優しさとか勝手気侭さとか、ヴァカンスのこととか、 とにかく自由が生まれた国の住人である自負とか)はなるほどなーとうなずくことばかり。さすが暮らしているだけあるなぁ。

パリというか、ヨーロッパにいってみたくなる、そんな本。

いつか、一緒にパリに行こう―パリ・ライフ・ブック

いつか、一緒にパリに行こう―パリ・ライフ・ブック

宮部みゆき – 幻色江戸ごよみ

また宮部さんの時代もの。時代劇時代劇しすぎていず、普通に現代ものの時代を300年ぐらい前に持ってきました~的な普通な感じがいい。

今 回はすこしオカルトチックな短編が12話。どれも結局人情がらみっぽいところが宮部さんぽいところか。どれもかなりの貧乏暮らしの人たちが主人公になって おり、その描写が見事。すごく読みやすい文体なのに江戸時代の風俗(っていうても知らないけれど)がありありと眼前に浮かぶ。

幻色江戸ごよみ

幻色江戸ごよみ

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