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2013-02

伊坂幸太郎 – グラスホッパー


やっぱり伊坂さんの作品はいい。読んでいて落ち着く。この落ち着く感じはなんなのかと考えるんだけれど、きっと「同年代だから」という単純な理由もあるんじゃないかと思っている。同じ言葉を使っていたとしても近い年齢だと言外に伝わることってある、あんな感じかな、と。

このグラスホッパー。今まで読んだ伊坂作品の中でも極めて静か、というか、不穏な空気感、というか、いつものようなほっとさせる優しさのようなものを極力排して、厳しい感じ、切羽詰まった感じが漂っている。解説の杉江さんの言葉を借りれば「ハードボイルド」ということらしい。主人公となるのが3人の殺し屋(押し屋、自殺屋、そしてナイフを使う男)たちのお話なので、ひともたくさん死ぬし、それが結構残虐。なのに悲しい感じにならないのは、徹底的に文章が第三者的映像的な切り取り方をしているからかもしれない。本の中の人物たちにとっては主観的なのだが、読者にはすごく第三者的に見えるので、ダイレクトな恐怖はないけれど、あとからじんわりくるものはある。

断片的なシーンが時間的なマジックも手伝って徐々にピースがはまっていく感じ(といってもこの本は割と時系列に並んでいるので、同時並行的な感じだけれど)も気持ちいい。相変わらずうまいなぁと思う。3人とも魅力的だけれど個人的に好きなのは鯨かなぁ。そしてだれもが哲学的なことを口にするのも面白い。その中でも鯨はほんとストレートな感じに読めるんだけれど、どうだろうか。

また全体に重苦しい割には読後感がすっきりしているのも、不思議な感じ。

「グラスホッパー」はいわゆるバッタ。押し屋の言葉「どんな動物でも密集して暮らしていけば、種類が変わっていく。黒くなり、慌ただしくなり、凶暴になる。気づけば飛びバッタ、だ」「群集相は大移動をして、あちこちのものを食い散らかす。仲間の死骸だって食う。同じトノサマバッタでも緑のやつとは大違いだ。人間もそうだ」。まさにずっと思っていること、怖いなと思っていること、そのままだった。

2004 角川文庫

E.D.F.@徳島ジャズストリート

明石大橋

2/10に徳島ジャズストリートにいってきました。今回で実に50回目。ほんとうにすごいイベントだと思います。地元密着で地元の店が結束して運営し、お店も出演者も、アマチュアもプロも、僕たちのように呼んでもらえた人もみんなハッピーな素晴らしいイベントです。やはり夏に阿波踊りで県内総出で一致団結するという県民性によるのでしょうかねぇ。

ぼくは結構ずっと行かせてもらっていたのですが、ここ数年は共演していたピアノのK氏が倒れたりして行けてませんでした。なので久しぶりの徳島ジャズスト、とても楽しみにして訪れました。しかもE.D.F.だし。午前中に集合していい天気のもとをゆったり走り、鳴門でうどんをちゅるっと食べて徳島入りしました。

いつもと変わらない笑顔で迎えてくれるスウィングのママとマスターにご挨拶して、ちょっとリハさせてもらって、出番まで店のまえでうだうだしたり。久しぶりの人にもたくさんあえてうれしかったです。

E.D.F.はP-パラダイスとスウィングに出演しました。どちらももちろん初めて聴いてもらう方も多い中での演奏で、しかも普段は不得意な(笑)時間がきっちりきまった中での演奏でしたが、清水さんのMCもすごく冴えて、演奏もいい感じでした。というか、お客さんたちが熱いし、素直に聴いてくださるのがとてもうれしかったです。

ライブの様子(photo by kottaさん)

イベントが終わってからの時間は毎回おなじみのセッションです。こうやってあちこちのミュージシャンが集まってセッションできる機会もそうないので、みんな疲れていてもやりたい放題で、毎度楽しいです。地元のミュージシャンをはじめ、今や売れに売れてるENCOUNTERのメンバーや森下トリオのみなさん、そしてもちろんE.D.F.の面々などなど入り乱れてのセッションは、3時ぐらいに終わるはずだったのに、うだうだやってたら5時ぐらいになってしまいました。でも普段会えない人たちとわいわい呑んでやるのは本当に楽しいことです。

で、次の日はいつものごとく香川へ。清水さんと今回ベースを務めてもらった福呂さんと3人で。

ま、昔のように無茶はしないので、ゆっくりドライブしながら美馬から峠を越えていくコースでいきました。例年ならただの月曜日でどこも行きたい放題(笑)なのですが、あいにく今回は祝日だったのでどこもたくさんの人ひとヒト。まだうどんブームって続いてるのですねぇ。

結局、三嶋〜やましょう〜山の家と3軒だけまわりました。昔に比べたらなんて食べなくなったことか。でも、いつまでたってもおいしいです、香川のうどん。でも、ドライブしながらいろいろ話していたのですが、昨今ジャズ喫茶やライブハウスもなくなっていったりするご時世、もともと年配の方々がやってるお店が多いぼくらがなじみにしているうどん屋さんも、そのうちなくなったりするんだろうか、と。考えるだけで寂しい話です。

なにはともあれ、今回もとても楽しませてもらいました。いらしてくださったみなさん、ミュージシャン各氏、そしてイベントを作り上げてくれた徳島の方々に感謝したいと思います。ありがとう。

三嶋のつめたいのん

畑さんと

昨年10月にやって楽しかったのでギターの畑さんと再びDUOをやりました。昔はDUOでのライブというのはほんとに珍しいものでしたけれど、最近は気軽なのもあるし、どんな場所でもできるというのもあって小編成でのライブが数多くなってきていますが、サックスとDUOとなると一番相性もいいし機動力のあるギターが多くなるのじゃないでしょうか。

畑さんとはずいぶん前からいろいろご一緒させてもらってますが、こうやってDUOでやるのは実は今日でまだ2度目。まぁ大先輩ですしなかなかない機会です。今日も一緒にやりながら繰り出される華麗なフレーズにため息がでてしまいそうでした。本当に楽しいです。なのに、うろ覚えで曲やってしまったりしてほんとすいません汗

そして2度目となるこのお店、パイルドライバーもほんと居心地よくて(壁が緑なのもいいんですよね)、この雑多とした大阪駅前ビルの地下街の中のオアシスのようです。マスター、ママ、ありがとうございます。

しかしなんと言っても今日のトピックはその畑さんのギターでした。真っ赤!ほんとに真っ赤。もう少し暗い赤や茶色がかったものは(僕レスポールの赤好きだし)よく見るけれど、ここまで真っ赤なものは見たことないです。畑さんにギターを作ってくれる職人さんがいるそうで、その人が赤にしたい!と言ったそうなんですが、ここまで赤いとは畑さんも思ってなかったとかw

このDUO、またここパイルドライバーでやります。次回は6/22の予定です。ぜひ!

柴田錬三郎 – 江戸八百八町物語

「江戸っ子」の由来や、吉宗の御落胤、辻斬りやら赤穂浪士、はたまた大奥から花魁まで、江戸時代の町、人々、そして武士たちを描いた物語が14。どれもありがちな時代物とちょっと違う逸話ばかりで楽しい。おおらかな人々の息づかいが聞こえるよう。

講談社文庫 1993

田口ランディ – 馬鹿な男ほど愛おしい

田口さんの赤裸々なエッセイ集。彼女の(たぶん)実体験に基づく恋のエピソードがたくさん。彼女が振り返るととても恥ずかしいけれど、その分とても楽しく、素敵だった恋の話ばかり。どれも面白い。

ほんと自分に対しても人に対してもまっすぐな彼女のすがたが目に浮かぶ。まるでテーブル差し向かいでお茶でもしながらしゃべっているような錯覚を覚える。

素敵だなぁと思いつつも、羨ましくもあり、そして少し寂しい。

新潮文庫 2005

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