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小路幸也

小路幸也 – スタンド・バイ・ミー(東京バンドワゴン3)

東京バンドワゴンの第三弾。今回はいつも何をしているのかいまひとつ分からない、でもロックスター(だった?)東京バンドワゴンの堀田家の息子我南人が日向に影に大活躍。といっても派手な立ち回りも何もないけれど。毎度同じように東京バンドワゴンに持ち込まれる難題の解決に(影で)奔走する。

謎のアナグラムや買い取った古本に記されていた謎の言葉、ずっと以前に海外から送られてきていたという極秘文書、本当に存在していたら怖い羊男、そして堀田家最大(?)の秘密が暴かれそうになり、、、などなど、今回も4編とも楽しく軽快に読める。

こういうシリーズものも巻を重ねていくとつまらなくなったり、二番煎じっぽくなったりしがちなのだけれど、このシリーズはまだ全然ならない。サザエさんが飽きないかのように、それこそたいしたことが起こったりするわけでもないけれど、日常のちょっとしたことを近所の人たちでわいわいいいながら乗り越えていく、ほんとホームドラマの典型みたいな感じで、退屈と言われてしまうとそうなのかもしれないけれど、でもそこにしかない暖かさ、落ち着き、ほのぼのさなんかもあるわけで、このシリーズはほんと上手いバランスで描かれてると思う。楽しい。憧れる日本のよき下町界隈。

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小路幸也 – シー・ラブズ・ユー(東京バンドワゴン)


小路さんの東京バンドワゴンシリーズの2冊目。今回も懐かしいホームドラマの匂いがぷんぷん。

東京のどこかの下町にある古書店「東京バンドワゴン」。そこは大所帯家族・堀田家がやっている。三代目の勘一、その息子で伝説のロッカーだという我南人、その息子たち、その嫁たち、そして孫たち、、、いつも食卓は賑やかで、読んでいるこっちも微笑んでしまう。いまは失われつつあるのか、それともどこかにまだまだあるのか、日本的懐かしい長屋家庭の風景。ご近所さんも賑やかでいつも書店と併設されているカフェには人がいて、世間話に花が咲く。そしてときどき街や人の周りでおこるトラブルや不思議なことが持ち込まれる。。。。

今回も冬からはじまって、春夏秋と4つのお話が。前作では家族のそれぞれに焦点が当たるような感じだったけれど、今回はこれから増えるであろう家族のことやら、恋の話やら。前作と同じ設定で亡くなった勘一の奥さんサチが見えない姿で家族を見守る、俯瞰するテレビカメラのよう。彼女の説明で話は進んでいく。ほんとテレビドラマを想定したような物語と脚本の間のような感じ。

どのお話も少しずつミステリーぽくて楽しいけれど、信頼おける人のつながりでしか生まれない逸話「恋の沙汰も神頼み」と、どうしようもなくやるせない気分にさせられる表題作「SHE LOVES YOU」がいいなぁ。勘一の黙って動く感じ(昔の親父って感じ)もいいし、ときどきに我南人がいう「LOVEだねぇ」が効いている。簡単な言葉だけれど、たしかにそれですべて表せてしまうのもたしか。さすが伝説のロッカー、というか、音楽ってそういうところある。ぼくにはまだまだだけど(できたらいいけど)。

なんせ今回も楽しかった。ほっこり。

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小路幸也 – 東京バンドワゴン

初めて読む小路さん。そもそもこの本を手に取ったのは昨年だかに「東京バンドワゴン」というテレビドラマがあり、MITCHのブラスバンドでそのなかで使われる挿入曲をレコーディングしたから。そのとき面白いタイトルだなー、なにかバンドがワゴンに乗ってわいわい上京していくようなロードムービー的なものなのかな?と思っていた(つまりドラマは見ていない)。

で、本を開いてみると、バンド的な話ではなくて大家族のホームドラマだった(伝説のロッカーの父親ってのがいるけど)。これが小気味よくてテンポもよくて楽しい。もともと大家族的なものに憧れなんかもあったのもあるからだと思うけど、ちょっと事情ある家族だけど一つ屋根の下で仲良く暮らしていて、ちょっとしたさざ波が立つようなことがあっても家長(ここでは先代)の元で協力して解決していく、こんな話は単純に好き。

東京バンドワゴンは東京のとある下町にある古本屋さん。古本屋といってもちゃんとした古書も扱う本屋さん。そしてそれに併設されたカフェ。近所の人たちからも慕われるこのお店には、3代目でまだまだ現役の勘一、そしてその息子でふらふらして何もしない伝説のロッカー我南人(がなと)、その娘で未婚の母・藍子、学者肌の長男・紺、愛人の子だという次男・青、藍子の娘・花陽、そして紺のよくできた奥さん・亜美とその息子・研人という8人家族が住んでいる。

そこへ近所の子供からご隠居までが出入りしいろんな問題や謎が発生する。毎朝百科事典をこっそりもってくる女の子、いきなり家に上がり込んで来た古書好きの女性、預けた本が行方不明に、などなど。そんなものごとを家族や近所の人などで解決して行くのも楽しく、なんかほんわかあったかくていい。そこにはいま失われていっているという言われる、近所の人とのふれあい・親しさ、なんてものが濃厚にある。近所の小料理屋に親父たちが集まったりするの、とか。

本の語り部を3代目勘一の亡き妻サチが務める形になってる。読んで行くとわかるけれど、この本はまるでテレビのホームドラマそのもの。小説というよりほんとホームドラマの脚本を読んでいるような感じもする。まあそれよりは物語ぽいけれど。視覚的に想像しやすくてとても読みやすいということはあるけれど、絵では描きにくいような(もしくは行間で読ませるような)微妙な心情とか、時間的なものとか、影とか、そういうものは薄い感じがする。でもそれが全体にハッピーな雰囲気、あたたかな、そう、こたつでテレビを見ているときのような、そんな心地よさを与えてくれるのは確か。

なんせ、ほんわかする本だった。シリーズ化されているので、続きもよもう。

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