石田衣良 – 娼年

最初、高級売春クラブ(ただし女性向)が舞台のエロ小説かとおもった。でも実は全然違う。これは面白い。

筋はさておき、主人公はつまるところスカウトされて、高級娼夫となっていろんな女性と出会うのだけれど、まず感心したのはそのセックスの描写の巧さ、というか描き方で、完全にエロいのだけれど、いやらしくない。スポーツ新聞とかのああいう小説とは違うのね。ぎりぎりのところで品があるというか、とても現実的なリアルな描写なのに、グロかったり、エロすぎたりしない。あと、男性作家なのだけど、限りなく中性っぽい感じ、女性が書いたものとも多分違う。あくまで男の視点で描かれているからか。

主人公の目を通して、いろんな女性の欲望の形がでてくるのだけれど、それもまた「へー」と目からウロコなこともあったりして、なるほどーとおもったりして。奥深いというか、男って単純だなーとおもったりして。

なんだろ、知らないというか考えたことないことがたくさん描かれているので、すごく興味が湧いたというか、新しいチャンネルができたというか。うまく書けない。いうても大きなひとつの道だとおもって横をみたら、無数のたくさんの道があった、というような感じか?

書いててよくわかんなくなったけれど、とにかく面白くて一日で読んでしまった。でも電車で隣から覗かれたくはないな、恥ずかしいもん。

集英社 2004

石田衣良 - 娼年
石田衣良 – 娼年

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