騒音?とういか音関係の短編2つとほか1編。
音関係である「音の地図」と「グラスウールの城」は両方とも別に単行本として読んだことがあったのだけれど、手にとって読み出したらそのまま止まらずに全部読んでしまった。
3つの短編どれもが、すこしゆがんだ、すこし暴力的だけれど、おとなしい、やはり自分を破壊してしまう方向にすすんでしまいそうな、そんな主人公の男性たち。少し心にかげりがあったり、病んでいるときには、すごく共感してしまいそうになる。共感というより共鳴か。
あ まりにもたくさんのモノ、音に囲まれすぎていて、僕たちはすべてのものを見失ってしまっている、そんな気がする。いや、実際気がしているのではなく、そう なのかも。そんな日常が普通に流れていくのが怖い。どこか間違っている、けれど正せない。そんな狭間で現代人たちは知らずに苦しんで、そのはけ口を間違っ た方向に見出してしまう。
悲しい。
文藝春秋 2007
![TOKYOデシベル TOKYOデシベル](https://i0.wp.com/ec2.images-amazon.com/images/I/41keltoc2-L._BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA300_SH20_OU09_.jpg?resize=180%2C180)