ずいぶん前に出てたのは知ってたけれど、文庫本になるのを待ってたのと、なんとなくこの人の長編って、ほいっと手に取って読むような気になれず、読みたいなとおもって読むというタイミングが必要な気がする。
一度読んだだけだとなんともレビューかきにくい。
でもこの物語は村上さんの小説のなかでは読みやすいかも。あまりにも観念的になりすぎたり、よく読んでもわかりにくい細かなモチーフでてきたり、理解するまで時間がかかる登場人物がでてくるってわけでもないので、それでも「なんだろ」って思う部分は多々あるにせよ、まだ読みやすいかなーと思ったり。
少年のはっきりいってできすぎた大人びた理屈のわかってるような人間性の間にふと見える子供っぽさとか、ちょろっとでてくる女の子がちょっとワルっぽくてでもかわいい性格してるとか、妙なキャラが突然出て来て物語のキーを握ったりするとことか、なんか村上さんぽくていい。
というか、猫としゃべれるようになりたい。
新潮文庫 2005