2012.7月のスケジュール

■■ ?リーダーライブなど ■■

7/5(Thu) 武井努4
神戸 元町 JUST IN TIME 078-333-1858
19:30~ 3,500
[メ]武井努(Sax)、木畑晴哉(Pf)、萬恭隆(B)、小前賢吾(Ds)

7/7(Sat) 武井努4
大阪 谷町五丁目 グラバー邸 06-6768-5963
20:00~ 2,500
[メ]武井努(Sax)、木畑晴哉(Pf)、萬恭隆(B)、小前賢吾(Ds)

7/13(Fri) 河村~武井
明石 POCHI 078-911-3100
19:30~ 2,500
[メ]河村英樹(Sax)、武井努(Sax)、木畑晴哉(Pf)、三原脩(B)、橋本現輝(Ds)

7/15(Sun) 河村~武井
大阪 芦原橋 studio & cafe MAKE 06-6562-3294
19:30~ 3,000(1drk付)
[メ]河村英樹(Sax)、武井努(Sax)、木畑晴哉(Pf)、時安吉宏(B)、小前賢吾(Ds)

■■ ?その他のライブ ■■

7/1(Sun) The Big Wind Jazz Orch.
大阪 梅田 ROYAL HORSE 06-6312-8958
Open18:00 1st 19:00~、2nd 20:30~
2,500円(1ドリンク、1フード別途)
[メ]飯田憲司(As)、落合智子(As)、武井努(Ts)、後藤重樹(Ts)、松並真嗣(Bs)、 横田健徳(Tp)、菊池寿人(Tp)、黒岩洋輔(Tp)、福中 明(Tp)、 堀田茂樹(Tb)、太田健介(Tb)、大島一郎(Tb)、坂本裕樹(Tb)、 志水 愛(Pf)、宮 詠子(Pf)、片岡耕一(B)、箕作元総(Gt)、森山和弘(Dr)、Momoko(Vo)

7/4(Wed) たけタケ
神戸 三宮 Big Apple 078-251-7049
19:30~ 前2,300/当2,500
[メ]清水武志(Pf)、武井努(Sax)

7/10(Tue) チャーリーニーシオ
■Elvis Swing Night
大阪 京橋 Beronica 06-6939-9292
19:00~ 前2,500/当3,000
[メ]チャーリーニーシオ(Vo)、村上剛(Pf)、多田義則(B)、三夜陽一郎(Ds)、武井努(Sax)

7/12(Thu) Words Of Forest
神戸 三宮 Big Apple 078-251-7049
19:30~ 前2,000/当2,300
[メ]森本太郎(Ds)、清野拓巳(Gt)、三原脩(B)、武井努(Sax)
ゲスト:島田篤(Pf)

7/16(Mon) 松田一志
西宮北口 えるえる 0798-65-0571
19:00~ 前2,500/当3,000 1drink付
[メ]松田一志(Vo)、城野淳(Gt)、武井努(Sax)

7/18(Wed) MITCH
大阪 梅田 ニューサントリー5 06-6312-8912
Live Time 19:50~20:30/21:00~21:40/22:10~22:50 1,800
[メ]MITCH(Tp,Vo)、永田充康(Ds)、武井努(Sax)、時安吉弘(B)、杉山悟史(Pf)

7/21(Sat) Satoko(Vo)
大阪 天満 じゃず家 06-6377-1130
20:00~ 2,500
[メ]Satoko(Vo)、清水武志(p)、武井努(Sax)

7/22(Sun) 松田一志
■泉南ライブシリーズ vol.1
泉佐野 音楽倉庫 072-457-7398
Open 18:00 Start 19:00 前2,500 / 当3,000 (1drk付)
[メ] 松田一志(Vo)、城野淳(G)、土本浩司(B)、武井努(Sax)、小林隆司(Ds)、Myah(Vo)
[問] 06-6344-3430

7/23(Mon) 武井~箕作DUO
寝屋川 萱島 OTO屋 080-6126-1529
20:00~ 2,500
[メ]武井努(Sax)、箕作元総(Gt)
※恒例の持ち寄りパーティーです。持ち寄るもよし、セッションするもよし、楽しみましょう!

7/24(Tue) 永田充康5
大阪 梅田 ニューサントリー5 06-6312-8912
Live Time 19:50~20:30/21:00~21:40/22:10~22:50 1,800
[メ]永田充康(Ds,Vo)、武井努(Sax)、TAKU(Gt)、 生島大輔(pf)、宮上啓仁(B)

7/25(Wed) 武井~野江Duo
東大阪 八戸ノ里 BAR 蓄音機 06-4307-0080
20:00~ 1,500
[メ]野江直樹(Gt)、武井努(Sax)

7/26(Thu) たけタケともみ
大阪 谷町五丁目 グラバー邸 06-6768-5963
20:00~ 2,000
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、東ともみ(B)

7/28(Sat) Joe-Guy’s Band
■うえろくブルースカーニバル Vol.3
大阪 上本町 はいはいタウン
詳細後日

7/29(Sun) FRIDGE vs Joe-Guy’s BAND
京都 Live Spot RAG 075-241-0446
19:00~ 前2,500/ 当3,000
[出]FRIDGE:酒井ちふみ(Vo)、静沢真紀(G)、有福珍(B)、堀尾哲二(Ds) / Joe-Guy’s Band:Massie(vo) 、林達郎(gt)、佐野隆士(ds)、清水亮(b)、岩崎明(key)、Kay(Rap & Mc)、西野欣哉(per)、武井努(sax)、堂地誠人(sax)、横尾昌二郎(tp) ゲスト 山岸竜之介(gt)

7/30(Mon) Joe-Guy’s Band feat. 山岸竜之介(Gt)
神戸 三宮 Chicken George 078-332-0146
Open 18:30 Start 19:30 前2,500 / 当3,000 (飲食代1,000別途要)
[出] Joe-Guy’s BAND : Massie(vo) 、林達郎(gt)、佐野隆士(ds)、清水亮(b)、岩崎明(key)、Kay(Rap & Mc)、西野欣哉(per)、武井努(sax)、堂地誠人(sax)、横尾昌二郎(tp) ゲスト 山岸竜之介(gt)
FRIDGE : 堀尾哲二(ds)、酒井ちふみ(vo)、静沢真紀(gt)、有福珍(b)

リーダー2Days

flyer

来月頭に久々にリーダーでライブをやります。すごく信頼がおけて楽しいメンバーと。毎回リーダーでは僕の曲ばっかりやったりしますが、メンバーの曲とかも入れたり、できたら新曲ももっていけたらなーと思っています。

7/5(thu) 神戸 元町 JUST IN TIME 078-333-1858
19:30~ 3,500

7/7(sat) 大阪 谷町五丁目 グラバー邸 06-6768-5963
20:00~ 2,500

[メ]武井努(Sax)、木畑晴哉(Pf)、萬恭隆(B)、小前賢吾(Ds)

きっと楽しいライブになると思います。お時間あるかた、ぜひいらっしゃってくださいね!よろしくお願いします。

キミとボク

千秋楽の舞台挨拶
千秋楽の舞台挨拶(吉本Webより)

もう先週になってしまいましたが、吉本百年物語5月公演が千秋楽を迎えました。連日本当にたくさんのお客さんに入っていただいて、すごくうれしかったです。ぼくを含めバンドの皆さんも最初は様子もわからず大変緊張していましたが、途中から同じ舞台に立つ役者さんたちや芸人さんたち、ダンサーのみなさん、そしてスタッフのみなさんとも仲良くなって、とても楽しみながら舞台に立つことができました。

バンドのみなさん
バンドのみなさん

初日から数日間はほんと大変でした。とくにバンドはいわゆるライブのように普通に演奏するだけの場所というのはまずなく、芝居と緊密に絡んでの演奏ばかりだったので、部分部分は覚えていても、毎日少しずつ変わる芝居に合わせるのは難しかったです。もっと稽古の時間があって芝居自体を憶えてしまえば(普通は役者さんのセリフ全部憶えるぐらいやったほうがいいですよね)大丈夫なんですが、時間の限られたなかでの稽古やリハーサルでいきなり本番を迎えたもんだから、段取りだけで憶えていると、いつタイミングがやってくるのか分からないので毎日くたくたになってました。演奏自体はそう難しくないのにねぇ。

でも同じバンドマンという役で出演されていた西村和彦さんがえらく仲良くしてくれたり、憧れの六角さんや板尾さんにはたくさん呑ませてもらったし、中川家、やすとも、ギャロップ、南さん、立川さん、菰池さん(毎日芝居素敵だった)、ダンサーの皆さん、そして内場さんらとも毎日顔をあわせているうちに、挨拶してちょっと話したり、少しずつ仲良くなったりしていくと、やはりそれが舞台に活きてくるのがわかり、どんどん楽しくなっていきました。本当に没頭できると、ぼくらバンドでさえ普通に芝居に溶け込んでいっていると実感できました。

出待ち中
出待ち中。TVでもおなじみのあの場所です。

ぼくのような演奏者は毎日違うことばっかりやってるので、こうやってひとつのところでずっと同じ事をやるというのは稀な機会です。しかも箱バンやオケピのバンドとは違い、ステージの上で芝居の一部として出演するというのはなかなかないチャンスで、難しい反面すごくたくさんの経験ができました。普段も人前に立っているけれど、また違う角度から”見られ方”みたいなものを教えてもらったような気がします。改めて芝居好きだなーと思いましたし。

—–

ぼくはこのところステージに上るときになるべくそのまんま普段と変わらない感じで立ちたいと思い、それをなんとなく心がけてきたのですが、こういう舞台では逆に、ちゃんと自然に立ち振る舞っているように見せる、というのがいかに難しく大切なことなんだなと感じました。あまり自分のキャラクターを自分で演じるようなことにはなりたくないのですが、幾分そういうところもやはり必要なんだなと思います。でもそれさえも創るのではなく自然にそこへ持っていけるようになれたらなーと思います。

—–

最初リハーサルや稽古が始まったときは「ほんまにこの舞台うまいこといって、無事終わるんやろか?」とまで思うほど厳しく長い道のりに見えましたが、始まってみると、すぐに中日がきて、あっという間に千秋楽でした。20回の公演というのが多いのか少ないのかは分かりませんが、「始まれば終わる」というのをそのまま実感したような一月でした。この吉本百年物語、来年3月まで続きますが、チャンスあったらもう一度出たいなぁ。なんてったって関西人の憧れの舞台、NGKですからね。

ほんとみなさん、ありがとうございました。

おまけ

NGK玄関脇にある出演者案内
NGK玄関脇にある出演者案内
4場前の幕裏にて
4場前の幕裏にて

 

Joe-Guy's Band with 竜之介

昨夜はアメリカ村のBig Catにて西日本最強女子ブルース部との対バンでした。Big Catすごく久しぶりでしたが、Joe-Guy’s Bandもちょっと久しぶりで楽しかったです。しかもステージでの演奏ではなくて客席に輪になってのステージング(西日本最強女子ブルース部の音頭にあわせてだったのでした)で、これまた面白かったです。

こんな感じでした
こんな感じでした

何より昨夜はゲストに天才少年ギタリストとして名を馳せる山岸竜之介くんがきてくれました。彼とはたしか「なにわジャングル」のレコーディング以来だったので、5?6年ぶり?!たしかに聞いてみたらあのとき5歳だったので、いやー、月日が経つのははやいもんです。彼ももうたくましいギタリストになっていて(うまいのは当たり前だけど)びっくりしました。

竜之介くんと
竜之介くんと

そしてJoe-Guy’s Bandは来月にちょっとしたツアーみたいなことがあるのですが、そこに竜之介くんも参加してくれることになりました。バンドもええ感じですが、彼がはいってより一層ヒートアップしそうです。刺激的!楽しみですわー。

【ミニツアー予定】

7/28 大阪 上本町6丁目 はいはいタウン ”うえろくブルースカーニバル”
7/29 京都 三条木屋町 RAG
7/30 神戸 三宮 Chiken George

札幌後記

8~10日の3日間ほど札幌にいってました。2年ぶりでした。思っていたよりもだいぶ涼しくてびっくりしました(だってもう関西は30℃いく勢いなのに、札幌の夜は15℃とかですからねぇ)。

今回はボーカルのSatokoが組んだquartet musicaというユニットの最初のライブのためでもあったのですが、一日だけというのは面白くないので、先日大阪でSatokoに紹介してもらったベースの瀬尾くんと一緒になにかやろうということで、ライブをやることにもなったのです。

大地!
大地!

すこしうす曇のなか北の大地、そして整然とならんだ田畑が見えたとき、やっぱりごみごみした都会とはちがうし、たくさんのひとの開拓の努力の結晶なんだなーと思いました。そして深い森やたくさんの木々、済んで濃い空気に触れると、太古の波動を感じるようでした。素晴らしい土地ですね、北海道は。

瀬尾君とのセッションは札幌すすきのにあるJERICHOというお店で。はじめましての工藤拓人くん(ピアノ)と館山健二氏(ドラム)でのカルテット。ぼくの曲や瀬尾君の曲、そしてSatokoにもゲストではいってもらって演奏しました。何に勢いを得たのかやたらと長い演奏をしちゃいました(反省)でもめっちゃ楽しかったんですよねぇ。工藤くんも館山さんも素晴らしいです。実は札幌4度目だけれど、あんまり地元の人とやってないんですよねぇ。

JERICHO
JERICHO
Satoko、瀬尾君、工藤君
Satoko、瀬尾君、工藤君

次の日のお昼は暇だったので、だらだら街を散策。ちょうど開催していた北大の学祭をひやかしにいき(博物館がよかった。いろんな研究面白い)、昨日ちょっと話にでていた大倉山のジャンプ台を見に行こうと思ったのですが、行きかた分からず(ちゃんと調べればいいんですが・・・(^^ゞ)とりあえず路面電車の駅にあった”ロープウェイ前”までいったら、そこは藻岩山でした。でもいいやー、ということでロープウェイとケーブルカーにのって山頂まで。風がきつくちょっとうす曇でしたが、とてもいい眺めでした。日本海までみえるのね。

北大なかほどにある池で一息
北大なかほどにある池で一息
ロープウェイでゆらゆら
ロープウェイでゆらゆら

いい気分になってちょっと山を歩いて降りたり。そしてメンバーと集合して、Tやんに薦められたお寿司屋さんトリトンへ。やっぱり回転すしでもうまいうまい!普通のものなんか頼まずに地のものばかり食べました。ほたて、かに、なまこ、たこ、えてこetcetc.(笑)やっぱり海産物美味しいですねぇ。

その後まだちょっと時間あったので、瀬尾君が連れて行ってくれたのは坂ビスケットというお菓子のお店。でも目的はビスケットじゃなく”レトロスペース”というとこなのですが、どんなとこかはここでは書けない(まぁ懐かしいものがたくさん置いてあるのですが、それだけではない、という。館長さん不在だったので、また会いにいきたいです)ようなロマンあふれるスペースでした。

そして夜はいよいよ quartet musica。事前に何もしていないので、ざざーっとリハーサル。Satokoのアイデアとかは結構難しく、なかなかイメージどおりに固まりにくかったのですが、なんとかライブはできるところまで。実際の演奏では結構難局を迎えたりしましたが、ここから拡がっていく可能性をとても感じました。また南山さんの素晴らしいこと!こんな人が札幌にいるんですねぇ(しかも熱烈な阪神ファン)。4人での演奏はもっとやれば魔法のようなことができるんじゃないか、と思いました。

ぼく、南山さん、瀬尾君、Satoko
ぼく、南山さん、瀬尾君、Satoko@K’s Bar

そして終わってからはぼくがだだをこねまくった(?)のでジンギスカン。初めてきた名店「だるま」。いやー、やっぱり美味しいなぁ。前に札幌きたときも思ったけれど、羊食べられるなら牛いらんかも。ほんと美味しいです。その後もだらだら呑んで、夜は更けていくのでした。というか、3時半ぐらいに明るくなってきてびっくりしましたけど(^^ゞ

だるま
だるまのジンギスカン!

最終日は午前の飛行機だったので、全然どこにもいけずでしたが、また車窓から見える街並みや森や空を眺めながら、近いうちにまた来たいなぁとすごく思いました。ほんといいところ、いい人たちに出会えてよかったです。ビバ北海道!

 

Nikon V1

別に趣味という訳ではないのだけれど、数年に一度ぐらいカメラ熱が湧いたりして(というか何でもないものを写したりするのが好き)、カメラを持ちたくなったり、なんじゃかんじゃといらんもの写したりする時があるんです。で、このところずーっと愛用していたのはコンデジのリコーのR10だったんですが、使い方の荒さのせいか(というか小さなねじが何本か抜けていってるのをわかりながら無視してた)、先日のミュージカル「ユニバース」のとき落としたりしたからか、このところ映像に陰がでるようになり(たぶんレンズか映像素子かそのあたりがなんかずれてるよう)ピントも合いにくくなってきていた。でも使えるんだけど。

買い替えてもいいかなぁと思っているときに、いま吉本でご一緒してるSさんがニコンのミラーレスを持ってきたもんだから、そこからまたカメラ熱が再沸騰して、Zさんにも「どーすんねーん」とか言われながら迷いに迷って、ついにNikon V1を入手しました。ええタイミングで新古品がでたのもあって。ちょっと大きなボディだけれど、逆に手にしっくりくるのでいい感じです。

RICOH R10
RICOH R10
Nikon V1
Nikon V1

昔からのあこがれメーカーNikon、やっぱいりいなぁ。アナログカメラのときはミノルタだったもんなぁ。最近のこのミラーレスタイプのデジカメはいろんなレンズが使えるようなので、これからいろいろいじって楽しめそうです。前使ってたレンズ、つけられるかなぁ。またおもちゃ増やしちゃった(笑)

ま、5月がんばったから、ご褒美ご褒美(という言い訳 笑)

お約束のうちのねこ
お約束のうちのねこ


Nikon V1 薄型レンズキット


ダブルズームキット

百田尚樹 – ボックス!

ちょっと前に読んだ「永遠の0」がすごく面白かったので百田さんのほかの作品を、と思っていたら目に付いたこの本。評判もよかったので。

高校ボクシングのお話。あんまりボクシングには興味ないけれど、ボクシングの大まかだけれど丁寧な説明や、プロとアマチュアの違いなんかをうまく視点を変えながら(一人称になる登場人物が3人いて、それらの立場からボクシングをみるため、登場人物の目を通して読者がうまく知識を得られるよう配慮してある。この辺は解説の北上さんがうまく説明してくれてた)描いていってるので、ボクシングをまったく知らなくても、物語にすっとはいっていけるし、ストーリーはあくまでもシンプル、ストレートにしている分、感動も素直に湧いてくる。

2人の少年と1人の女性教師の青春期みたいな感じだけれど、天才的な鏑矢少年にはまぶしさを感じるし、努力の人木樽少年には期待と応援を、そしてきっと美しいんだろう耀子先生は少し大人だけれど少女のようで・・・分かりやすすぎるほど明快なのに、でもちっとも飽きもせずに上下巻一気読みしてしまえるのは、うまいキャラの活かせ方と話の運び方、そしてボクシングを知っていける魅力をうまく織り交ぜたからだと思う。なんか木樽少年にあわせて自分も強くなったような気もしちゃうし(笑)

ラストがいわゆるハリウッド映画みたいに単純じゃなくていいし、それだけじゃなくてエピローグまでつけて読後に爽快感まで味わわせてくれて、憎いなーという感じ。素敵な青春小節でした。

ひとつ残念なのは章立てになっていて、事前にその章ごとのタイトルをみちゃうと(もちろん目次になってるけど)だいたいのストーリーが読めちゃうことかな。でも全然かまわないけれど。予想通りの進み方でもそれを上回って内容楽しいから。

太田出版 2010

乙一 – 失はれる物語

すごく久しぶりに乙一さん。今回も短編集だけれどどれもやはり面白い視点というか物語の切り口で面白く読めた。

時空間のずれた相手からかかってくる電話「Calling You」、交通事故で右腕以外の感覚がなくなってしまった男とピアニストである妻の物語「失はれる物語」、他人の傷や痛みを移す能力のある男の子「傷」、魔がさして泥棒しようとした男の顛末「手を握る泥棒の物語」、みえない女性と子猫の物語「しあわせは子猫のかたち」、ほほえましい短編「ボクの賢いパンツくん」、怖い恋「マリアの指」、嘘の彼女「ウソカノ」。

今回の本は怖い話はひとつぐらいで、あとはじんわりくるいいお話ばかり。とくに好きなのは「失はれる物語」と「ボクの賢いパンツくん」かな。ほほえましいし。

このひとのもっと違うタイプの本も読みたいなぁ。

角川文庫 2006

乃南アサ – ドラマチック チルドレン

人の怖い部分をよく描く乃南さんだけれど、これ読み出してから気づいたのだけれどドキュメントものだった。

富山市郊外にある「ピープルハウス・はぐれ雲」に集まる子供たちはいろいろな問題を抱えた子供たちばかり。ひきこもり、登校拒否、非行などなど。彼ら彼女たちが共同生活をおくり、そこの主である川又夫妻の厳しいけれど暖かい、そして無骨で正直な眼差しと手により立ち直ったり、また舞い戻ったりする。そんな子供たちの様子を淡々と描いた作品。物語の中では主人公となる恵という中学3年生の女の子の成長を見ていく。

話の中にときどきでてくる川又さんの言葉、地域にとけこむことの難しさ、生活とはなにか、社会コミュニティとはなにか、子供が見ているものはなにか、乃南さんの目を通して語られる様々なものごと。それらはただの物語ではなく読者の周りにも関係していることだと思える。

「落ちこぼれの落ちこぼれをつくらない」どんな子供だって将来があり、生きていけるべき。どこかで曲がり角を誤ってしまっても、気長にもどってくる方法はあるし、だれもがそれをもっているはず。熱い信念で物事をつらぬく川又さん夫妻と子供たちに気持ちが熱くなる。

新潮文庫 1996

前川麻子 – 晩夏の蝉

初めて読む前川さん。少年犯罪や家族問題、少年たちの心の闇を描いた作品。ずしりと重い感じがするが、そこをスピード感ある筆でうまく読ませると思う。もともとは「明日を抱きしめて」というタイトルで出版され、松本幸四郎や高島礼子出演でテレビドラマになったそうだけれど見てない。ストーリーは描けたとしてもこの内容の暗い部分、えぐい部分ってあんまり描写しにくかったんじゃないかな?

少年犯罪を主に担当する若き女性弁護士 真希が担当するのは16歳の少年。彼は母子を暴行し殺害した。彼の心の中にはなにがあるのか?その闇に近づこうとするが自分の力のなさに悩む。一方彼女は夫の前妻の少年と同居するようになり・・・複雑な家庭環境と年の差のある夫婦がもつ脆い環境・・・。彼女はどうなっていくのか?

切通さんの解説によると、この作品が発表された2000年ごろには少年法の改正があったころで、ちょうど97年の酒鬼薔薇聖斗事件があった流れて少年犯罪が表面化してきたころだった。いまでも犯罪の低年齢化、残虐化が進んでいるといわれているけれど、実際のところどうなのか?たんに明るみにでるようになっただけで数が増えているわけではないのだろうか。でも明るみになる事件はどれも恐ろしい。彼らがなにを考えているのか、考えていることを口にされても、それが実感として理解することができず、ただたんに怖さだけが増していっているように思う。

世の中、どうなっていくのか、人間不信の増す世にならないでほしい。

光文社文庫 2006