世界的な動物写真家であり、とくに猫に愛情を注いでその写真を撮り続けている岩合さんのねこ写真集。日本で出会った猫と世界(エジプトやスペイン、モロッコなどなど)で出会った猫たちの写真がたくさん。一度この岩合さんのねこ写真集を買おうと思っていて、昨年また新しいのが出たので本屋さんで手に取ったのだけれど、それからゆっくり眺めていたら、半年ぐらいかかってしまったw
写真集としては小さめのサイズなので、猫の存在感的なものはあまりないのだけれど、すっと手に取っていくつか眺めて、またぱたっと閉じて、じんわりするのにはとてもいい感じ。こうやって見比べてみると、日本の猫とよその国の猫は同じ猫なのにどこか違う感じがするのがわかる。もちろん景色や光の色が違うと言うのもあるのだろうけれど、それよりももっと、生き方というか、街に対する存在の感じとか、馴染み加減というのが違う感じがするのがおもしろい。
なんかね、日本のねこのほうが、おっちゃん(おっさん、ではないところがミソ)ぽいのよね。それに対してよその国の子たちはもっとしゅっとしていてお姉さんみたいな感じ(雄雌関係なく)。もしかして足の長さとかちがったりするんやろか?とまで思ってしまったりするけれど、写真からはわからない。でもなにか身にまとう雰囲気が明らかに違う。同じ油断してる感じでも、その油断さ加減が違う、とか。でもこれは僕の感想なので、よその国の人がみたらまた違って見えるのかも。
猫って一体なんなんでしょうね。どこからも独立していて、でも住む場所や自然には依存したような存在。一般的に動物には表情はないはずなんだけれど、この写真集を眺めていると、同じ顔からいろんな意味を読み取ってしまえる。犬とはまた違う感じなのよね。仏像に近いのかも。
ま、ぼくが猫大好きだから、勝手におもってるだけかも、だけど。
山と渓谷社 2013