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2015-04

上橋菜穂子 – 闇の守り人

上橋さんの「守り人」シリーズの2作目。短槍ひとつで女用心棒として生きているバルサ。彼女を育ててくれたのは、ある陰謀により人生のすべてを投げ捨て逃亡生活に身を落としてまで彼女を守ってくれたジグロだった。彼女はジグロの汚名を晴らすべく25年ぶりに生まれ故郷に戻る。が、そこへと抜ける洞窟の中でであった2人の子供がきっかけで彼女が故郷に戻っていることが発覚し、故郷カンバル王国は彼女を捕らえようと躍起になる。

やっぱりファンタジーが好き。でもこのシリーズはグインほど突飛ではない(いまのリアル社会とそう遠くない感じがする、時代や場所が違うだけ、みたいな)ので、入り込みやすくていいんじゃないかと思う。でてくる人たちもわりと普通だし。でも今回のカンバル王国には、地底に住まうという山の民と山の王、小さな牧童の人々なんかもでてくるので、少し西洋的な感じがするかも。そういう意味ではまだ一作目(精霊の守り人)は東洋的だったように思う。

あとがきで上橋さん本人が書いているように、この作品は大人が読んでも楽しめる(もっとも”大人に支持されている”という書き方だったけど)作品だとおもう。ファンタジーというとどうしても夢の世界、想像の世界、現実離れしてとっつきにくい世界観というイメージで大人は読みにくい子供のものみたいなイメージだけれど、この作品は人間のドラマのようなところがあって(陰謀などのどろどろした部分も多く描かれるし)、そういう風に言われているんじゃないかと思う。実際読んでみて、もちろんファンタジックな部分はふんだんにありつつも、そういうドラマ的な部分もしっかりあって、物語としての骨組みがずっしりしてる感じがする。へんな例えだけど、一作目は明らかに子供向けだった映画ハリーポッターシリーズが2作目以降大人も楽しめるものになった、そんな感じ?(もっともこの本は大人ぽいけど)

話の進め方がうまいのか、章立てが細かいので、区切りよく読めるためか、とても読みやすくて一気読みしてしまった(前の本もそうだった)、400ページほどあるけど。単純に面白くてわくわくする。読後に爽やかさって感じはないけれど、なにかちょっとした達成感とほどよい疲労感があるのもいい。

このお話でもやはり現実と併行して存在する別世界がでてくる。実際こういうことがある(別次元とか、死後の世界とか、そんな言葉で語られるところ)と考えると現実に起こってること感じられることっていうのが、そういう世界からの干渉であったり、たまたまうっすら現れたりしたものだと思えなくもない。だいたい見えてることなんて、ほんとに狭い世界でしかないのだし。

シリーズ次作も早く読もう。

PS
あとがきで知ったけど(書いてるのがアニメ化した神山監督だった)、アニメ化されてるらしい。見るべきか見ざるべきか。。。。

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加藤実秋 – インディゴの夜

加藤さんはまだ2作目。前の「モップガール」が面白かったので名前覚えてて、この本を手に取った。装丁もすっとした感じだったので、きっとするっと読めるだろうなーと思ったのもある。ガッツリ読み込むもの、すっと読めるもの、いろいろ変えて読まないとしんどいし。ちなみに加藤さん、実秋はさねあき、じゃなくて、みあき、です。女性。

「クラブみたいなハコで、いかにもという感じではなくて、DJやダンサーのような男の子が接客してくれるホストクラブ」をコンセプトにオープンした渋谷のはずれにあるclub indigo。フリーライターの晶、そして同じくライターの塩谷がオーナーだが、実際に店を仕切るのは”伝説の男”憂夜。毎夜若い女の子でにぎわうインディゴだが、ある熱心な女性客が殺される。店のNo.1が絡んでいる?謎を解くため警察をよそに晶たち、そしてホストたちが渋谷の街を走る。。。。

この本には晶たち、そしてホストたちが活躍する短編が4つ。どれもすこしひねりがあって引きつけられて面白い。それとホストクラブなのにホストたちがいわゆるじゃなくてその辺にいる感じの賑やかな男の子たちという設定もいいと思う。名前も変だし。ジョン太とか犬マン、TKOにBINGO、山田ハンサムとかとかw。彼らがそれぞれキャラがたってて面白いのもあるし、もちろんもとヤンという晶も、そしてちょくちょく現れるオカマバーのなぎさママ、そして店をとりしきる憂夜が格好良すぎたり。下手をするとかっこいい男たちが格好良く颯爽と活躍してミステリーを解いて回る、みたいな展開になりがちなのに、こういうキャラたちでそうはさせず、でも退屈にもならないようにする(渋谷とかこういう文化圏のことをよく知ってるんだとおもう、加藤さんが)のはなかなか難しいんじゃないかなーと思う。で、軽く読めるのもいい。ま、だいぶ軽いけれど。でもチャラチャラはしてない。いい塩梅。

せっかくだからもう一話一話説明の部分は省けばよかったのになあと、本でまとめて読むと思う。続きもあるようだから、それらもきっと読むだろうなー。まだキャラクターたちの奥、深そうだし。憂夜あたりはたくさんエピソードありそう。

荻原浩さんが書いてる解説がとてもいい感じ。その通りよねぇ。そんな風にはぼくはかけないから、面白かった!とだけ書く。

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