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上橋菜穂子 – 精霊の守り人


最近何かと話題になっているのか本屋さんで目立つ上橋さん。もともとSFとかヒロイックファンタジーものが好きなので、栗本さん亡き今、そういう類いの本を読む機会がぐっと減った(たまには読むけれど、シリーズ物はあまりないのか出会わない。和製がいいし)。で、本屋さんで最近発刊された「鹿の王」を見て、あ、もしかして僕好きな感じなのかもと思い、その本はまたの機会にとっておくことにして、上橋さんの本を探していてたまたま出会ったこの本を手に。偶然だったけれど、これは「守り人」シリーズの一作目だった。また楽しめそうなものに出会えて嬉しい。

短槍ひとつで用心棒をする女、バルサ。ひょんなことから新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを助けたことから、チャグムに潜む秘密に巻き込まれる。彼には異界の卵が宿っているという。そしてその卵はこの世界に100年に一度の大旱魃をもたらす魔物という伝説と関わりがあるらしい。皇国から、そして異界の魔物からも狙われるチャグムをバルサは守り続けられるのか。

そんな長くない物語なのに、国の様子や成り立ちや文化、先住民や異文化との交流なども描かれていて、頭の中にその世界が構築されていき、そこでバルサやチャグム、タンダなど、魅力的なキャラクター(ぼくは呪術師トロガイが好きだな)が動き回るのが楽しくなってくる。こういう物語ってどれだけ世界観やその細部まで考えて構築しているかでずいぶんのめり込み方というか受け入れやすさが変わるように思う。その点この物語はすごく魅力的で読んでいるときは一冊で終わるのもったいないなーとか思っていたけれど、解説を読んでシリーズ物であることを知って、とても嬉しかった。栗本さんのグインシリーズの世界以外にまたこういう物語の世界がもてるというのは楽しいこと。そういう点では宮部さんの「ブレイブストーリー」より全然いい感じだなあ(これは面白かったけど、世界観という意味ではちょっと断片的だったように思う)。

現実に併行して異界があったり、そことの密接な関係や異界の民たち。国の興りを表現する神話や伝承、そしてそれらがときはねつ造されることもある、などなど、この世の中であるようなことをいろいろ示唆してるあたりも、上橋さんが文化人類学者という肩書きがあるからの発想なのかも。素晴らしいなぁ。面白かった。はやく続き読もう。

新潮文庫 2007

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