望月諒子 – 呪い人形

望月さんの3作目。めちゃ分厚い。

どオカルト的なタイトルだけれど、それだけの話ではなく(というか、ぜんぜんオカルトではない)、今 の時代にある、たくさんのさまざまな人間たちの悲哀を描いている。そしてなによりも、いろんな社会問題をもうまく織り込んでいて、中盤までは、いったいど こに視点をしぼったらいいのかわからなく(登場人物も多いし)なるほど、物語も複雑になっていく。しかしそれらの中心にずっとある呪いの影・・・・。

実際呪い殺すことができるのかどうかわかんないけれど、殺したいと呪うひとはいるだろう。でも呪うのと実際に殺すのは、やはりちがう。死に値するほどの悪だと思っても、本当に死ぬべきかどうかなんて、誰にも判断できない。だから躊躇するもの、他方殺すもの。

いろんな倫理観に疑問をなげかけまくる、面白い作品。すっと読む本ばかりじゃなくて、こういうごつごつした本も読むべきだ。

集英社 2004

呪い人形
呪い人形 – Amazon

きくち正太 – おせん 13

大好きなまんが♪連載ペースが遅いので新刊がいつでるかまったく知らなくて、ずいぶん前(といっても6月)に出てたのをやっとこさ読んだ。

今回も粋だわ。

このまんがが好きなのは、主人公おせんがとっても魅力的なのは当たり前として(かなり好み♪)、あたいたちが忘れていってしまってる大事な日本の美しさ、美意識、粋、そして食べ物などなど、それらがさらっと、説教臭くなく描かれているから、だと思う。

今回はジゴロ(笑)陶芸家の一言
「焼きもんも人間(ひと)も一緒でな、外っ側じゃなくて容(なかみ)を拵(こさ)えるもんでな・・・・」
に、じーん。

講談社 2007

おせん(13)
おせん(13) – Amazon

モーツァルトとクジラ

アスペルガー症候群や自閉症をもつカップルを描いた映画。個人的にはこういうたぐいのものは不得意で、えてして見ないようにしてしまったり(実際の生活でもそうだ)意識の外においだしてしまったりしてるのが事実。でもこれは本当はだめなことだとわかっているのだが。偏見などを生む温床になってしまう。でもなかなか理解しがたい世界。

もしこの映画が単純に社会的なことばかりを描く映画だったらきっと見続けられなかっただろうけれど、この映画の場合、あるカップルの恋愛模様を中心に描くことで、こういう人々がどういうふうに感じてどういう風に行動したりするのか?という一面をやわらかくわかりやすく見せてくれる。しかも、あーよかったね!的な恋愛映画でなく、そういう性質のために苦悩したりうまく言えなかったり、紆余曲折してしまい、うまく恋愛できない。その姿を通して、彼らがどういう人間たちなのか、というのを見せてくれる。実際あたいたちと何も変わらない。

この映画がきっかけとなって、自分のなかにある隠れている偏見たちが減らすことができたら、と思う。

ハンニバル・ライジング

その昔の昔、羊達の沈黙を見て、めちゃくちゃ精神的に怖い映画やなーと思い、その次作ハンニバルを見て、なんて気色わるいんや、おえー、と思った。両方ともやはりアンソニー・ホプキンス演じるレクター教授のキャラクターがめちゃくちゃ立ってて、あの凄まじさに負うところがおおきいと思う。

で、そのレクターの青春時代、なぜレクターがレクターになったのか?をひもとくエピソードがこの作品だが、やたらと美しい東洋美人の叔母に目を奪われるばかりで、肝心の主人公のキャラが薄い。少しおかしげな雰囲気は漂わせるけれど、やはりあの心底怖い感じには到底およばない。

幼少時代のトラウマになる出来事を中心に描くことで、彼の生い立ち、そのなりゆきを知ることはできるが、やはり、あそこまで凄まじいキャラにどうして成り得たのか?というのはあまり伝わってこないのが残念、どっちかいうといいひとにも見えるし。そういうとこじゃないと思うのよね、このシリーズの核は。

シャーロットのおくりもの

これってもともとアニメとかあってんなぁ、知らなかった。かわいい子豚ちゃんが出てくるので、昔あった「ベイブ」の続編かと思ってたけれど、それも違った(笑)

なんでもない子豚ちゃんを、ソーセージにしないがために、納屋に住む動物たちが協力して、彼を助ける物語。同じ納屋に住むシャーロットというクモが大活躍する。

このクモがその巣にいろんな英単語を描くのだが、どうも英語圏じゃない人間にはいまいちその単語がどんな意味をもってるのか把握しづらく(もちろん字幕はあるが、それでもピンとはこない)、なぜ子豚ちゃんが助けられたのか、真意はつたわらないのが、残念。英語わかったら楽しいのになぁ、きっと。

ブロークンフラワーズ

ふと届いた差出人不明のピンク色の紙の手紙から、その昔モテる男だった男が昔の恋人達を訪ねあるく。

全体的に物静かで台詞もおおくなく、ましてや物語を無理に盛り上げたりするBGMもなく、まるでモノクロの日本映画のように淡々とすすむ映像がいい。今の恋人に出て行ってしまわれ、やる気も何もない男が昔の恋人にあうにつれ少し元気になってみたり、その昔の恋人達がそれぞれに魅力的で、それぞれにやはり昔の恋人になにがしかの未練のようなものをもっている(それが普通なのか?)のを、実に微妙なトーンでそれぞれの俳優達が演じているのも好感。

結局具体的な結論はなにもでないし、これといった起承転結もないし、盛り上がったり盛り下がったりもしない、そんな語り口が好きな人にはとてもいい映画じゃないかなぁ。ストーリー性が欲しい人には無理かも。

たぶん、こんなもんなのよ。生きていくことなんて。映画だから映画のように話が転んだり、なにとなにかがつながったり、ハッピーエンドだったりその逆だったり。でも、普通はそんなことないよな。それがあたりまえ。その当たり前を当たり前に描ききった監督は偉い。

全体をアンニュイに包み込む、エチオピアンのジャズがいい味を添えている。好き。

オーシャンズ13

このシリーズの中ではいちばん落ち着いてる感じがした。こんかいも大胆な泥棒物語で楽しい。もうちょい長くして泥棒のプロセスを細かく描写してほしかった気もするけれど、テンポよく進んでたので、まぁそれはいいのかもー。

アル・パチーノかっこいい、おっさんなったぁ。ガルシア太り過ぎ!(笑)。今回はクルーニーのほうがかっこ良かったなー。

ちゅうかこの映画をみると、自分も金持ちになったような気分になってしまう。ファッションもシチュエーションもどれもさりげなく高級感漂ってるので、いやみなくかっこよくていい。自分もオーシャンズの仲間になったような気分にしてくれるのがたのしい。もしかすると映像の視点がうまく主観的になるようにしてあるのかなー。なんせ自然に観れるのがいい。

SOFTBANKの影響か、ピッ君がやたらとケータイで話まくってたのが気になった(笑)

アメリカ 2007
2007/8/10 公開

16ブロック

ブルース・ウィルスが扮する老刑事が組織内の不正にたちむかうストーリー。「ダイハード」のイメージがあるので、激しいアクションとかあんのかなーと思ったけれど、渋い感じがずーっとつづくえぇ感じの映画。

実際こんなことは多いんかなー。腐ってるのー。

デビット・モースを見たのはたぶん「ダンサー・イン・ザ・ダーク」以来のような気がするが、今回も悪い奴だった。ちゅーかクリントンに似てるよなー、とかそんなこと思ってしまう。

ホリデイ

実際こういう「ホーム・エクスチェンジ(家の一時的交換)」っていうのんあるんかなー。やってみたい気はするけれど、ちょっと嫌かもなー(笑)

まぁありありなダブル恋愛話だけれど、なんといってもジュード・ロウがかっこいいのと、ジャック・ブラックのおちゃめさ加減がとてもいい。あと途中映画を選びにお店に入ったシーンでジャックブラックがいろいろ映画をそのテーマ曲で紹介していくとこで「卒業」(だったか。Mr.ロビンソンを歌ってた)を紹介してると、横に立ってる男がダスティン・ホフマンだったりするちょっとしたおちゃめさが好き。

2つの恋愛を描くが、キャメロンのほうが多めなので、もうひと組の方ももっとエピソード出してほしかったなー、というのは欲張りかな?

ほのんとした。派手じゃないがいい作品。

幸せのちから

実話に基づいた話で、実際この映画の主人公はまだばりばり働いているそう。へー。いわゆる一発逆転成功する人の話だけれど、書かれた話ではなく、実際の現代の話ということもあって、派手さがないのが逆にリアリティを醸し出してると思う。

ウィルスミスの地味な演技がいい。でもそれよりも息子の演技が非常に自然でいい、かわいらしい。そのおかげで、すこし「おしん」的悲惨さがただよう映画全体がほんわかしてる気がする。

しかし、お金がなくなる前にもーちょいなんかできたんちゃうかー>主人公、と思ったりもしたりして。株とかのセールスマンになれる能力あるんだから、もーちょい最初からちゃうとこで働いたらえーのになー(笑)