E.D.F. レコーディング

2月の終わり、28?29の2日間、E.D.F.のレコーディングがありました。前回の「Salvation By Faith」からだと4年ぶり(録音日からしたら5年ぶり)のアルバム制作になります。もちろんバンドとしてアルバムをコンスタントに作って(清水さんの作品を発表して)いきたいと思っていますが、何より今年E.D.F.はバンド結成20年にあたる年(11月で満20年、長いようで早いもんだ)なのでその記念としても作りたかったのです。また昨年の清水さんのソロアルバムとTAKE TAKEの2作品により、レーベルFollow Club Recordとしても作品をリリースし続けるといういい流れを作れているので、その流れの上に載せることもできるなーと思うところもあったのでした。

レコーディング会場は昨年同様、横浜の海の見える丘にあるゲーテ座。5人で、しかもベースやドラムの楽器も伴っての移動だったので、普通は車移動ということになりそうなところですが、限られたレコーディング時間を有効に使う(やっぱり体調とかが大事ですから)ために、新幹線での移動にしました。ベースはともかくドラムセットいけるのか?という心配がありましたが、光田さんはドラムを台車に積んで電車で移動することもしばしばあるそうで、それならばまあいけるだろうと考えていましたが、やはり新幹線はだめだそうで(台車がNG)新幹線構内はばらして手で運ぶというハプニングも。結構つらかったです(笑) また新横浜ついてから菊名までいって東横線に乗り換えだったのですが、この駅も乗り換えが階段のみで荷物をばらして運びました。うーん、バリアフリーはまだまだですねぇ。

新幹線で
新幹線にのるため荷物はバラしてます

あとはそのまま無事中華街まで到着して、そのままゲーテ座へ。久しぶりにエンジニアの猪狩氏と再会し、落ち着く間もなくレコーディングの打ち合わせをちょっとしてすぐにセッティング、サウンドチェックとスムーズに進めて、お昼ご飯を食べてからレコーディング開始。

兼ねてから猪狩さんと打ち合わせしていたとおり、録音物としての、バンドとしての、音のまとまりやライブ感を大切にしたいし、何より今のE.D.F.とメンバーそれぞれの音をそのまま記録したかったので、モニタやヘッドホンなんかも使わずに普段と同じように演奏してそれをそのまま録音するという方式でした。もしかしたら昔の録音のように数少ないマイクで、という案もありましたが、今回は各楽器に適度な数のマイクを立てて、かぶりまくりでの録音にしました。

こんな感じです
こんな感じです

事前にリハをやっていたのもあるし、効率というよりも、レコーディングの流れを大切にするために「プレイバックはいっさい聴かない」という大胆な(笑)ルールで、2テイクずつぐらい録ってOKなら次の曲へ、というやり方で進めました。昨年もそうでしたが、この方式なら結構スムーズにいくんですよね、欲が出ないので。

こうしてバンドのレコーディングとしては1日では結構な曲数をやって、疲れ切らないぐらいで1日目は終了。バンドのメンバー間ではこの2日間は以前から「レコーディングという名の慰安旅行」と呼んでいたように終わってからが本番。横浜の中華街近くでレコーディングしているのは、そう、もちろん美味い中華料理食うためだったのです(笑) まずは四川料理屋さんにいって飲みたい放題食べたい放題、何を食べても美味いので一同大興奮(とくに西川さんがしきりと感心、実は彼は食道楽か?)。しかしそこでは涙を飲んで腹八分でとどめ、水餃子をたべに山東へ。ここの水餃子は量が多いので2人前でもう十分。ビールのこしてしまいそうなぐらいでしたがなんとか全部腹の中へ。あーー、食った飲んだ!さすがに今夜はこれで打ち止め、明日への英気を十分に養えたかな?

光田さんと山東の水餃子
光田さんと山東の水餃子

そして2日目の朝、起きると窓の外は真っ白。天気予報には出てたけれどまさかここまで大雪とは!交通がだいぶ麻痺していましたが、メンバーやエンジニアはみんな予定通りにまたゲーテ座に入れました、が、肝心の今回のアルバムのゲスト、Tbの中路英明氏が予定時間には到着できないことが分かり、予定を変更して、昨日録った曲のリトライを。なんせテイクバック聴いてないので、いけてるかどうかは誰もわかってないので、昨日ちょっと不安だったならついでにやればいいやん?ってことで、何曲かさらにテイクを録りました。

雪にはしゃぐ清水さん
雪にはしゃぐ清水さん

そうこうしているうちに中路さん無事到着。では早速・・・と言いたいところだったけれどいい時間になっていたのでいきなりお昼ご飯。しかし雪は降り止まず、ここは丘の上なので出前ものはすべてアウトという悲しい展開に。なので近所の洋食屋さんへ。寿司だ!中華だ!とか言っていたのですが、ここも美味しくてよかったです。

ゲストの中路英明氏
ゲストの中路英明氏

そして戻ってレコーディング開始。3管でE.D.F.の曲をやるのは実は初めての体験で(そういえばライブで清水さんが管楽器をやって3管というのはありましたが、するとピアノがいなくなるというわけで)すごく新鮮でした。中路さんは初見でもばっちりですし、レコーディングは順調に進みました。ちょっと煮詰まりそうになったら降る雪を見ていると心落ち着きますし、昨日の曲の別テイクも録れたし、結局雪が降って予定が狂ったことがいい風に転んだようです。

もっと欲張ってもう少し多く曲をやってもよかったのですが、まぁ十分な(たぶん余ると思う)曲数はとれたし、今日もへとへとになる前にレコーディングは終了。そのあと撮影をしたり遊んだりして2日間にわたる予定はすべて終えました。おつかれさまでした!!

今回のレコーディングでお世話になったゲーテ座の小池氏をはじめスタッフのみなさま、エンジニア猪狩さん、アシスタント中野さん、ゲストなのにゲスト以上の活躍を見せてくれた中路さん、料理作ってくれたコックさんたち、みなさんに感謝します。ここから先も頑張ってよいアルバム生み出せるようにしますので、みなさん、まぁまぁ期待して待っていてくださいね(笑)。なるべく早く次の報告できるようにします。

記念撮影中の記念撮影
記念撮影中の記念撮影

P.S.
しかし4年に一度しかない”うるう日”で、しかも稀な大雪の日にあったレコーディング。将来しみじみと懐かしく思い出す日がきっとくるんだろうなーと今から思ったり。

4タイトル全国発売

2年前ほどから清水武志氏と組んでFollow Club Recordという自主レーベルをやっており、現在4タイトルを発売しているのですが、昨年10月に全国発売になった『TAKE TAKE』(たけタケ)に引き続き残りの3タイトルも2月15日から全国発売されることになりました!BOMBA RECORDさん、DISK UNIONさん、ありがとうございます!これを機にまだまだ知られていない(でしょうねー)E.D.F.や名盤と誉れ高い清水さんのソロが知られていくとうれしいなぁと思っています。

またAmazonではレビューや「いいね!」を押していただいたおかげでランキングも上がっていってます。本とありがとうございます。『TAKE TAKE』もこれから発売される3タイトルも引き続きよろしくお願いしますー!

Follow Club Record作品をあたらめて紹介します。

「Live at KOZAGAWA / E.D.F.」(FC-001)

Live at KOZAGAWA
Live at KOZAGAWA

2006年10月8日に和歌山県東牟婁郡古座川町にて行われたE.D.F.のライブの音源をCD化。夜空に月がぽっかり浮かんだ幻想的な夜の、自然に囲まれたその雰囲気がそのまま音になっています。
DISK UNIONAmazonTower RecordsHMV

「Takeshi plays Takeshi ? solo piano / 清水武志」(FC-002)

Takeshi plays Takeshi
Takeshi plays Takeshi

待望の清水武志ソロアルバム。長年E.D.F.を率いて独自の世界を生み出してきた清水武志。彼の純粋であるがゆえに透明かつ獰猛なピアノの音色を、彼の美しく切ないメロディーの数々とともに。全曲オリジナル。
DISK UNIONAmazonTower RecordsHMV

「TAKE TAKE / たけタケ」(FC-003)

TAKE TAKE
TAKE TAKE

TAKE TAKE(たけタケ) ? 繊細さと獰猛さを内包した美しいピアノ、やわらかにすべてを包み込むサックス。同じ”武”の字を持つ清水武志と武井努によるDuoユニット。長年共演を続けてきた2人が織り成す美しく、切なく、あたたかな音の世界。2人のオリジナル楽曲で綴る11の物語。
BOMBA RECORDSAmazonTower RecordsHMVDISK UNION

「E.D.F. / E.D.F.」(FC-004)

E.D.F. / E.D.F.
E.D.F. / E.D.F.

2001年録音のE.D.F.ファーストアルバム。時を経ても色あせず、より一層輝きを増し、心に沁みこんでゆく音のしずくたち。古くて新しい、新鮮なのに懐かしい音楽がここにある。
DISK UNIONAmazonTower RecordsHMV

E.D.F. 1st Album “E.D.F.” リニューアル&再販

2001年に録音・発売したE.D.F.の1st Album “E.D.F.”。初回のプレス、そして追加してプレスした分が完売してしまい長い間なかったのですが、今回紙ジャケットにリニューアルして(細かいことをいうなら品番も変わりFC-004 とFollow Club Recordからの出版となり)再販することになりました。それが今日手元にやってきました。感無量です。

紙ジャケットになるとだいぶ薄くなりました。(下のは以前のもの)

以前はいわゆる普通の透明プラスチックケースのCDでしたが、薄くなって少しつるつるの手触りの紙ジャケットはなかなかいいです。少しあった誤植も直せたしなんだかほっとしています。

10年前の録音だけれど、まったく色あせることもなく、いまでも新鮮な気持ちで聞くことができますし、やっぱり曲がいい。そして演奏がとてもいい。手前味噌ですが。みんないまより10若かったわけだけれど、ちょうど「録音したい!」という勢いがあってそれがそのまま封じ込められてる感じです。あのとき少し緊張した中津の三和スタジオでのレコーディングをいまでもありありと思い出すことができます。

発売のとき「古くて新しい、新鮮だけど懐かしい」というフレーズでのふれこみでしたが、今でも同じ感じですね。まったく古ぼけていません。でもほんのりした気持ちになります。いいアルバムです。まだお持ちでない方、この際もいっちょ!という方ぜひいかがでしょう?問い合わせは僕か edfmailto@gmail.com まで。

またまたPVも作りました。

1. Tear Drops Again
2. Don’t Forget Me
3. Empty Heart
4. Psychedelic Freedom
5. Hymn To Your Life
6. Ripples In Fall
7. Sensuous Love
8. Vicky’s
9. 想い出に変わるまで
10. Rug Time

Follow Club Record FC-004 2,500
2001年5月録音

E.D.F. http://www.kh.rim.or.jp/~takei/edf/
清水武志(Comp&Arr,Pf,Bass Cl) http://followfukano.com/
田中洋一(Tp) http://www.yohei.info/
武井努(Ten & Sop Sax, Fl) http://tsutomutakei.wordpress.com/
西川サトシ(B) http://satobaho.exblog.jp/
ベーカー土居(Ds)

溝口恵美子(Guest Vo on Track 7)? http://www.emikomizoguchi.net/

※このPVに使われている音源、映像はすべて本人の許可を得て使用おります。

エンガワホッコリライブ

昨日5/22に滋賀の寺庄でE.D.F.のライブがありました。かねてからの天気予報の通り、自宅を出るときから大雨で、行くのが嫌になるほどだったのですが、京都を過ぎがころから雨は少しマシになり、草津線に乗るころには小降りになっていきました。JR草津線に乗るころには、いったい何年ぶりに乗るのかなぁ、などと思いながら揺られる車窓を楽しめるぐらいになっていました。

訪れたのは寺庄にあるM重さん宅で、到着したときにはすでに準備も最終段階、まもなく開演でお客さん(近所の人たちともいう)もやってきていました。晴れだったらM重さんのお宅の庭先での、ほんとの意味での”エンガワホッコリライブ”になる予定だったのですが、まださらさらと雨が降っているのもあり、向かいにある農業倉庫を急遽お借りしてのイベントとなりました。

大正琴の演奏(実は生ではじめてみた)や当主M重さんのバンドが出演したり、ライフジャケットのイベント(M重さんたちは「子供たちにライフジャケットを!」という企画を主催してはるのです)があってそれに参加したり(これがめちゃ楽しかった)、フリマや各種出店があったり(どれも美味しかった)、まるで小さな町のお祭りのような感じですごくいい雰囲気でした。晴れてたらもっとよかったなーとも思いましたが、それでもいい感じだったです。

で、ラストにE.D.F.の出番が。それまでいい感じでこの時間を過ごさせてもらってたので、ステージに上がってもすごくほっこりゆるやかな感じでのスタート。農業倉庫といっても古い日本家屋なので、音の感じもしっとりしていい音で、すごく気分よく演奏できました。もちろんPAの夢屋さんNちゃんの力があったことはいうまでもありませんが。

清水さんを中心としたカヌーや車やらの仲間や、音楽の知り合い、地元の人たちなんかに囲まれながら、決して大げさでなく適度な大きさで奏でられる音楽というものが、どんどん地面に染み込んでいく感じを感じながら、どこでももっと単純に音楽と人と自然とのつながりが楽しめたらいいのになぁ、と思いました。どうしても「ライブをする」とかいうとどこかから借りてきて据え置いたようなものになってしまいがちな昨今、こんな密着した、というか、みんな同じ地面に立っているように思えるイベントがすごく貴重だなと思いました。M重さんの熱い想いがあったからこそだと思います。こんな簡単なことをいまさらながらまた実感させてもらえてうれしかったです。

イベント終わるころには雨も上がり、名残惜しいみんなはうだうだううだうだしていましたが、カラスもカーと鳴く時間になったので、寺庄をあとにしたのでした。

みなさんほんとにありがとう。

(写真 by Mamisan)

5/4 高槻JazzStreet

実は10年ぶりでした(自分の昔の日記をざーっと見てみたら2001年に出演していた)。高槻ジャズストリートがはじまった最初から出演していたのですが、近年すごく人気がでて出演するのも大変という状況やら、移動だなんだがバタバタするのがちょっとキツくて行ってなかった(代わりに祝!春一番とかに行ってたわけですが)のですが、今年は出ようと声を掛けてもらったのもあるし、E.D.F.でというのも面白いなーと思ったので出演となったのでした。

いやー、楽しかったです。高架下のあの雰囲気変わってないですねぇ。でも規模は大きくなり、やって来ている人の数は圧倒的に増えてますね。すごいです。時間もギリギリだったので、ものすごくスムーズな感じのE.D.F.だった(普段はもっともっとだらだらして、エエ味出しているのです)ですが、果たしてあの状態できちんと演奏できてたのかいまいち分かってないのですが・・・。

夜に出させてもらった生涯学習センターのホールはすごくいい雰囲気でした。あの場所のトリだったのですが、E.D.F.でよかったんやろか?と思わなくもないのですが、たくさんの皆さんに聴いてもらえてすごくうれしかったです。知ってる方もはじめての方も楽しんでもらえたのではないでしょうか?

最後の枠(23~)ではElectric Psychedelic Dixieで初めて外の世界でやった(いつもアングラですから(^^ゞ)思ってた通りみんな酔っ払いで、そのめちゃくちゃさ加減があまりにもめちゃくちゃですごく面白かったです。シラフなら絶対あんなことにならない演奏でしたしねー。アレはアレでめちゃくちゃ素晴らしい。いやー、みんなアホだなーと。

ジャズストリート、あまりにも規模が大きくてどこで何が起こってるのかちっとも付いていけませんでしたが、たくさんのお客さんに聴いてもらえたこと、たくさんのミュージシャンに会えたことがよかったです。今日の演奏がちょっとでも誰かの心にひっかかってくれるていたら、うれしいな、と思います。

久しぶりのM’sHall

今夜はE.D.F.で桃谷M’sHallでした。僕自身がE.D.F.も昨年11月以来で久しぶりだったし、さらにM’sに至っては昨年の9月からだから5ヶ月ぶりという、E.D.F.でここに出演しだしてから最長のご無沙汰で、どこか恥ずかしくうれしく楽しみな夜でした。久しぶりすぎて、すごくお店が新鮮でした。やっぱいい店だし、まさにE.D.F.の基地、みたいな感じ。一番最初に出演したときにマスターや清水さんとさんざん飲んでべろべろなったのが懐かしいです。

さらに今日は珍しくいつもと楽器の並びをかえてみようという意見がでて、ドラム真ん中でやってみました。普段と違うので違和感多いかなーと思ったけれど、やりやすくなりました。ピアノとベースが遠くなるのでどうかなとも思ったけれど、やっぱり長年やってるバンド(来年でなんと20周年!)だけあって、そのへんは阿吽の呼吸で大丈夫。さすがです(自画自賛)。

演奏もすごくいい感じで、やっぱり慣れたお店ではいい音が鳴る、というかサウンドしやすいです。ホームグラウンド、そうであることを改めて思いました。新しい曲や古くからの曲や、かわらないギャグや(笑)、いつもの雰囲気、そんなものに囲まれながら、遠くまできたなぁと感慨に耽ってしまう夜でした。

E.D.F.