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2008

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man

攻殻機動隊、見たかったので笑。

ストーリーとしてもよくできてるなーと思うし、9課課長の見事なプレーっぷりや各キャラが生き生きしてて面白い作品だなとおもったけれど、やはりGhost In The Shellほどのインパクトはなかった。緻密さというかアングラ感というか、密度というか。

主 役の一人である「笑い男」の台詞やらにちりばめられるたくさんの文学作品からの引用が、たしかに文学(記録文字文化)というものがこのストーリーのキーの 一つになってるということもあったとしても、ちょっと多すぎて、知らない人にはしんどいシーンもあったんちゃうかなーと。

生きている、生 きていた、今、過去、これからの時間、記憶、人格、そういう抽象的で実体がなく、暗黙の共通概念や主観の深層にのみ存在するであろう物事を、この電脳世界 に展開してしまったら、いまわれわれがおもう己とは何なのか?どこまでなのか?というような問いかけがこの作品にもある、よーな気がする、が、どーなの か?笑

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man

プロヴァンスの贈りもの

やり手トレーダーが子供の頃可愛がってくれていが、亡くなってしまった叔父のシャトーとブドウ園を引き継ぐお話。

ストーリーはあんまり特 色ないけれど、舞台となるプロヴァンスの風景、土地、色があまりにも美しく、見とれてしまう。そして叔父が遺したシャトーのすばらしさ。こういうのんて日 本にはまったくないものだ。子供時代の思い出としても、あんな風な贅沢な時間は過ごした人なんて少ないと思う。

太陽と手入れされた土地、気候、そして人。ワインが呑みたくなる映画。

プロヴァンスの贈りもの

プロヴァンスの贈りもの

中山可穂 – 天使の骨

初めて読む中山さん。古本屋さんでなんとなく手にとった一冊。タイトルがなんとなく気に入って。

一応このお話の前のお話が別の作品として あるので、つづきということになるのだけれど、この作品単体でも読めるようにとつくってあるそう。自分が主宰していた劇団を失い、作家である事もやめ、人 生そのものにも希望をなくしてしまったミチル。彼女の心が生きる欲からはなれていくに従って、彼女には他の人には見えない羽が傷ついた天使たちが見えるよ うになる・・・さらに彼らは増えていくのだ。

世界を放浪し、さまざまな人に出会い、別れ、傷つき、優しさにふれ、そんななかで少しずつ変化してく彼女のこころ、そして明かされていく過去の出来事たち。彼女のなかでそれらのピースがうまくはまって行くに従い、天使たちは姿を消していく。

ミチルのせつなさが突き刺さってくるかのようなスピードのある文章と、展開がはやいけれど十分に描かれている彼女の日々がどんどん流れ込んでくる。彼女がどうなってしまうのか心配で一気に読んでしまった。決してオーバーでなく、彼女の後姿を追っているような気分になる。

世間に、世界に翻弄されて、自分が希求していたものを見失ってしまう。それを運命というのかもしれないけれど、その翻弄のなかにあるちいさな希望を掬うことができたら、またあらたに天に舞い上がれるのかもしれない。

天使の骨

天使の骨

宮部みゆき – 淋しい狩人

東京の下町、荒川土手下にある小さな古本屋田辺書店の店主イワさんとその孫稔の周りで起こる小さな事件たちを描いた短編集。それらはすべて何かしか「本」にかかわる事件なのだ。

本というものを介してつながる人や場所や時間。そういう連作ってのもなかなかいいアイデアだなーと思う。さらにそれに加えて一話完結の形をとりながら、主人公であるイワさんと稔の人間関係の変化を短編をまたがった時間軸で描いていってるのもすばらしい。

短編なのでするっと読めるけれど、やっぱりどこか人間の哀しさをじんわり感じてしまう、そんな物語ばかり。

淋しい狩人

淋しい狩人

宮部みゆき – かまいたち

宮部さんが時代物書いてたってしらなかった。それで驚いて手にした一冊。デビュー当時に書かれたものをまとめた短編集。

時代小説にしては あまりいわゆる時代物のように読みにくさとか複雑な時代背景をしらないと理解しにくいような物語ではなく、すごく読みやすいなという第一印象。解説におい て笹川氏が書いているように、宮部さんは現代ものと時代物との書き方の区別をいい意味でしていないよう。たまたま素材が時代的だったから時代物だというよ うなトーン。なるほどねぇ。

いわゆる謎解きものではなくて、コロンボのように(ふるい?)犯人やら結果が読者にわかっている上で、人間の 物語を描いていくのが宮部さんらしい。あまりおどろおどろしくもなく、えぐくもなく、かといってあっさりもしてないので読み進むごとに楽しい。よくできて るなぁ。デビュー当時からこれか、すごいなぁ。

かまいたち

かまいたち

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