ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版

ひとはどのくらいの年齢になったころから自分の人生を振り返りはじめるのだろう。その人の人生にはたくさんの出会いと別れがある。それは人であったり生ま れたときから存在するモノであったりする。瞬間的にすれちがうもの、長く時間を共有するもの。そんなたくさんの人やモノとかかわって人の人生は進んでい く。永遠に残るものもあれば、ある日突然なくなってしまうものもある。そういったものたちとの関わりを通してその人の人生は形作られて行く。

で もその人がもつ記憶や感情はその人の主観であり、人生の舞台ではその人からは見えない、でもその人には深く関わる物語がたくさん存在する。それは一生知る 事のないことかもしれないし、あるとき知ることかもしれない。その時最善の選択だとおもったことも、実は違っていたのに、ちょっとした偶然や恣意的なもの によって、違った方向に人生は転んで行く。

でもそういった山谷もやはりその人の歩んだ道は一本道。過ぎ去ってしまえば、それは必然のようにおもえてくることもある。どうしても忘れられない事もあるが、やはり時間とともにあきらめていく、納得していくものなのだろう。

こ の映画を見ていると、そんなひとの人生の不可思議さを考えさせられる。どんな人の人生も、それは未完の物語であり、何歳になっても明日の人生は白紙だし、 昨日までの人生は追憶の対象だ。希望とあきらめ、偶然と必然、いろんな波風で左右する人生は、どうなってもやはりその人の生であり、正解や間違いはない。 なるようになるし、したようになる、のだ。

もしかすると、この映画はなんども見るものなのかもしれない。10年後にみたら、また違った事を思うんだろうな。

完 全オリジナル版ということで、公開時にはカットされていた部分などを50分ぶんぐらい足して3時間弱の長尺映画となっているが、いやいや、全然長さを感じ させない、すばらしい映画だと思う。どこがカットされていたのかは知らないけれど、ぜひともオリジナル尺もみてほしい。話によると劇場公開版とオリジナル 尺版は主題が違うそう。公開版もみたいな。

ニュー・シネマ・パラダイス
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