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乙一 – 平面いぬ。

めちゃ久しぶりに乙一さん。以前読んだのはドロドロして怖くて、なにか次元や時間がずれてしまっているような不思議な話ばっかりだったけれど、この本は表題の「平面いぬ。」を含めて4つのこれまたちょっと不思議で少し切ないお話たち。

目が合ったものは石になってしまうという伝説のある街で幼い頃に失踪した母親を探し不思議な場所に迷い込む「石ノ目」、ちょっとした嘘からうまれた想像上の女の子がやがて意識の上では実在してしまう「はじめ」、不思議な布でつくられ命をもってしまった5体の人形の一つは切れ端で適当に作られた醜いできそこないだったため他の4体にいじめられてしまう「BLUE」、ちょっとしたことから彫ってもらった犬のタトゥーがある日動き、鳴くようになってしまう「平面いぬ。」

どれも短編ですっと読めるというのもあるんだけれど、それだけじゃなくて、ネタであるとか話の展開の仕方であるとか、すごく上手くて面白い。とくに気に入ったのは「BLUE」と「平面いぬ。」。突飛なアイデアと不思議な世界観でぐいぐい引き込まれるし、短編なのになんだか濃い内容だし、少し寂しいような切ない気持ちにさせてくれる物語のまとまりかたとかたまらない。

4つの話がどれも全然違っていていい。どれもすこしお化けぽいかもね。

集英社文庫 2003

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