群ようこ – でも女

群さんは久しぶり。はじめタイトル見たとき「でも女?でも、女?なんじゃろな」と思って読み出したのだけれど、すべて女性の一人称で描かれているので、ぜんぶ群さんの実話なのかなーと思って読んでしまった。それほどに事細かにリアルというか、あまりにもなんでもなさすぎるというか、普通に誰かの噂話を聞いているかのようで面白い。

ちょっとあーあーと思うような女の人がいちいち主人公。なんだかちょっとぱっとしないというか、ついていないというか。でもそんなところにやたらとリアルを感じてしまう。どの主人公もなぜかダメな友達がいて、お互い慰めあったりして「あーあ」な感じなのである。でもこれが女性の実態なのかなーとか思ったりして。でもそれがかわいらしかったりして。

10編ともどこか感情移入してしまって、さくさく読めていい感じ。電車のお供に。

集英社文庫 1997

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