伊坂さんにしては珍しい、というか今のところ続編というものはこれしかないそう。「陽気なギャングが地球を回す」(映画にもなった)の続編。
もともとは主役である銀行強盗4人がひとりひとり主役となる短編を4つ書くことからはじめたそうだけれど、やはり4人でないと・・・と思ってまとめたそうで、なので、第一章は4人がばらばらの事件に出会うというところからスタート。でもそれがやがて様々な断面でするするとまとまっていき・・・というあたりが伊坂マジックでやっぱりすごいなぁと感心。ほんと無駄なこと書かないなぁ、物語の構造つくるのほんとに上手いなぁ。
個人的には響野がいつものように長台詞をとうとうとしゃべるのを聞きたかった、いや読みたかったのだけれど、今回のお話は銀行強盗の部分ではないところが主体なのでそういう部分はなくて残念。でも4人がそれぞれの特技を活かして活躍するのが清々しく気持ちいい。
あとこの小説には徹底的な悪人がでてこなくていいな。ユーモアある人ばかり。心が荒まなくていい。
祥伝社文庫 2009