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2013-05

2013.6月のスケジュール

<table width="100%" border="0">
<tbody>
<tr>
<td>&lt; <a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2013-5">2013.5</a></td>
<td id="" lang="" dir="" scope="" align="right" valign=""><a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2013-7">2013.7</a> &gt;</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/DSC_0588_resize1.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/DSC_0588_resize1.jpg" title="DSC_0588_resize1" width="574" height="383" class="alignnone wp-image-4432" /></a>

6/1(Sat) 世界のPearl 鈴木まつり vol.3
神戸 三宮 <a href="http://www.chicken-george.co.jp/" target="_blank">Chicken George</a> 078-332-0146
OPEN 18:00 / Start 18:30
前売&予約\2,000- / 当日\2,500-
[出]キム・エンタープライズ / Which Witch / My Fxxkin' FINAL ARROW / DAMEN2 /
パール鈴木とチョメチョメクラブ:パール鈴木(Vo)、まんぞう(Dr)、西村有布(Gt)、Zingoro(Bs)、ぢゅんこっこ(Key)、チーチョ西野(Perc)、高瀬一也(Tp)、武井努(As)、北島レイコ(As)、山田大記(Tb)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/557865_487479661319405_1543534271_n.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/557865_487479661319405_1543534271_n-211×300.jpg" alt="" title="20130601" width="211" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-4416" /></a>

6/4(Tue) KENZO GROUP
徳島市 秋田町 <a href="http://swing.ikidane.com/">SWING</a> 088-622-9669
20:00〜 前売 3,000円(1drink付き)/ 当日 3,500円
[メ] 伊藤健造(Pf)、(B)、桝井正弘(Ds)、武井努(Sax)、シュガー綾子(Vo)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/947135_297834817016296_1597572253_n.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/947135_297834817016296_1597572253_n-212×300.jpg" alt="" title="20130604" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-4414" /></a>

6/5(Wed) satoko + たけタケ恵
岡本 <a href="http://bornfree-kobe.com/">Born Free</a> 078-441-7890
19:30~ 2,500
[メ] satoko(Vo)、清水武志(Pf)、武井努(Sax)、大塚恵(B)

6/6(Thu) 66Sax Fever
大阪 梅田 <a href="http://azul-umeda.com/">Azul</a> 06-6373-0220
予約\1,000 / 当\1,500 19:00-
[メ]Tony(Sax)、武井努(Sax)、足立知謙(Pf)、土本浩司(B)、ミミ肇(Ds)

6/8(Sat) チャーリーニーシオ(V0)
■ Elvis Swing Night!
武庫之荘 <a href="http://arrow-jazz.co.jp/LSA/">Live Spot Arrow</a> 06-4962-5664
18:00 Open 19:00 Start \3,000
[メ]チャーリーニーシオ(Vo)、酒井ヒロキ(Gt)、村上剛(Pf)、多田義則(B)、三夜陽一郎(Ds)、武井努(Sax)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/217368_569022313130072_850272517_n.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/217368_569022313130072_850272517_n-211×300.jpg" alt="" title="0608" width="211" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-4413" /></a>

6/9(Sun) The Big Wind Jazz Orchestra
大阪 梅田 <a href="http://www.royal-horse.jp/">ROYAL HORSE</a> 06-6312-8958
Open 11:30 1st 12:30~ 2nd 14:00~
\2,500(別途1ドリンク)
[メ]飯田憲司(As)、落合智子(As)、武井努(Ts)、後藤重樹(Ts)、松並真嗣(Bs)
横田健徳(Tp)、菊池寿人(Tp)、黒岩洋輔(Tp)、福中明(Tp)
堀田茂樹(Tb)、大島一郎(Tb)、太田健介(Tb)、坂本裕樹(Tb)、的場誠治(Tb)
志水愛(Pf)、宮詠子(Pf)、片岡耕一(B)、原満章(B)、箕作元総(Gt)、森山和弘(Dr)、山下嘉範(Perc)、飯嶋ももこ(Vo)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/481821_526202870777679_1462198918_n.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/481821_526202870777679_1462198918_n-211×300.jpg" alt="" title="20130609-1" width="211" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-4415" /></a>

6/9(Sun) 荒崎英一郎Big Band
神戸 三宮 <a href="http://www.bekkoame.ne.jp/i/big-apple/">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前2,000/当2,300
[メ]荒崎英一郎(Ts)、武井努(Ts)、浅井良将(As)、落合智子(Bs)、ジェームズ・バレット、横尾昌二郎(Tp)、幸明男、太田健介(Tb)、 藤山龍一(Gt)、金丸精志(Pf)、中嶋明彦(B)、岡野正典(Ds)

6/10(Mon) 松田一志
西宮北口 <a href="http://r.tabelog.com/hyogo/A2803/A280301/28001426/">えるえる</a> 0798-65-0571
19:00~ 前2,500/当3,000 1drink付
[メ]松田一志(Vo)、城野淳(Gt)、武井努(Sax)

6/12(Wed) E.D.F.
大阪 芦原橋 <a href="http://www5f.biglobe.ne.jp/%7Emake/">studio &amp; cafe MAKE</a> 06-6562-3294
20:00~ 2,200
[メ] 清水武志(Pf)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)、田中洋一(Tp)、武井努(Sax)

6/19(Wed) チャーリーニーシオ
-鍵谷節子展 開催記念-
大阪 なんば <a href="http://tabelog.com/osaka/A2702/A270202/27046964/">アブサン・ソラー</a> (なんば高島屋8階) 06-6633-1445
19:00 Open \6,000 (地中海料理+1ドリンクつき)
[メ]チャーリーニーシオ(Vo)、村上剛(Pf)、多田義則(B)、三夜陽一郎(Ds)、武井努(Sax)

6/21(Fri) 松田一志(Vo)
@Tower Records マンスリーインストアーライブ!vol.1~2
『Funkyのここまで酔って委員会(いいんかい) ?』
大阪 なんば <a href="http://tower.jp/store/Namba">タワーレコード難波店</a>
start21:00 前後~30分間 [無料]
[メ]松田一志(vo)、城野淳(G)、武井努(Sax)

6/22(Sat) 武井~畑Duo
大阪 梅田 <a href="http://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27055842/">パイルドライバー</a> 06-6341-6110
20:00~ 2,500(1ドリンク付き)
[メ]武井努(Sax)、畑ひろし(Gt)

6/23(Sun) 東日本大震災チャリティーライブ
神戸 元町 <a href="http://sound.jp/justintime/">Just In Time</a> 078-333-185814:00〜17:00 \3,000
[出演] 武井努(Sax)、横尾昌二郎(Tp)、唐口一之(Tp)、柏谷淳(Sax)、池田杏理(V0)、末元紀子(V0)、大野こうじ(Gt)、木畑晴哉(Pf)、宮野友巴(B)、光田臣(Ds) 他
※ミュージックチャージ全額およびドリンク売り上げの半額を被災地に寄付します。

6/23(Sun) MITCH'S LIL BRATS BRASS BAND
-SLOW LAND CAFE 7th ANNIVERSARY-
梅田 お初天神 <a href="http://www.slowlandcafe.com/">SLOW LAND CAFE</a> 06-6312-6668
START 20:00~ \2,000

6/24(Mon) 武井・馬田DUO
寝屋川 萱島 OTO屋 080-6126-1529
20:00~ 2,500
[メ]武井努(Sax)、馬田諭(Gt)

6/25(Tue) 永田充康5
大阪 梅田 <a href="http://www.newsuntory5.com/">ニューサントリー5</a> 06-6312-8912
Start 19:30 \1,800
[メ]永田充康(Ds)、武井努(Sax)、TAKU(Gt)、加納新吾(Pf)、荒玉哲郎(B)

6/28(Fri) MITCH
大阪 淀屋橋 <a href="http://www.jin.ne.jp/coffeein/index.html">ROYAL HAT</a> 06-6204-1327
20:00~ 1,000 &amp; チップ制
[メ]MITCH(Vo,Gt)、武井努(Sax)、TAKU(Gt)、木村知之(B)、永田充康(Ds)

五木寛之 – 風の王国

いつだったか忘れてしまったけれど、何かの話のきっかけで(たぶん今の大河ドラマあたりの話ではなかったかと思うのだけれど)あまり知られていない日本の歴史というか闇というかそんなことを教えてもらったりして、そこで出て来た「サンカ」と呼ばれた(これは体制側から付けられた呼び名)人たちがかつていたということで、それについて書かれた小説としてこの五木さんの本を紹介されたのでさっそく読みました。

一応お話仕立てになっているけれど、結構史実を基にうまく話にそのサンカ(彼らは自分たちをケンシと呼ぶそう)の歴史、側面なんかをちりばめた構成になってて、今更ながらこういう人たちがいたのだ、という事実を知り、いま何も疑問に思わずに単にあるから/正しいと思っているから(思わされている?)受け入れている社会システムの根幹をなす戸籍もしくは住民票というものの存在について、おや?と思うことができた。折しもいま世間では(世間というより施政者たちが、か)法案が通り着々と地固めがなされている「国民総背番号制度」が話題になっているけれど、まさにこれの反対をいくのがケンシの人々。

考えてみれば、まあ社会システムを構築するにあたっては、施政者側からは国民(というかその国土にいるすべての人間)を管理したいはず。徴税や場合によっては徴兵、さまざまな管理をしやすくするために。もちろん個人はその恩恵にもあやかれるわけだけれど、それを良しとしない人たちがいても不思議ではなく、彼らが自分たちで独自の文化を築き、そこにある社会システムから乖離して/もしくはうまく摺り合わせて存在したいと願うことは当たり前のことだとおもう。でも、施政者/権力者はそれを許したくない。なので年月をかけて戸籍や住民票などの裏付けというかレッテルというかがないと生きにくい社会を構築し、教育を施し、ある部分洗脳するというかうまく従わせるように持って行っているのは明らかなことだと思う。でもそれが間違っているかどうかはわからない。でもそれ自体に組み込まれたくない人たちもいて当然で、そういった人たちが存在することが今の世では非常に難しい状態になっている。日本にも明治以前はたくさんいたけれど、いまはいるのかいないのか、社会にとけこんでいるのか。もしくは我々の目が蓋をされているのか。外国ではジプシー(ロマというのが正しい呼び名か?)と呼ばれる人たちも未だ沢山いるというのに。

ひとつ問題だったのは、そういう定住しない人々を減らすというか生きにくくするために当時の(江戸後期か)施政者たちが悪者に仕立て上げたらしい、ということ。主に山賊だのなんだのと一般の人々に悪いイメージを植え付けようとしたそう。それは実際は実態とはちがっていた部分もあり、多くは定住せずにいろいろな技術をもって里と交流し、土地や人びとの血脈となって世間を活性化させていた人々だったよう。

ぜんぶ五木さんの受け売りだけれど、今まで全然しらなかったことを知り、そしてそこから今ある姿の違う面が見えるようになった。まだまだ知らないこと/伏せられていることはこの国にはたくさんあるのだろうな。良きにつけ悪しきにつけいろいろ知りたいものだ。

新潮文庫 1987

DVD『LAST NIGHT AT CORNER POCKET』

前々から作っているらしい(というか僕、思いっきり関わっていますが)というウワサのあった、昨年閉店してしまった西宮北口のジャズ喫茶Corner Pocketの最後のライブを収録したDVD発売のアナウンスがありました。2012年9月1,2日に行われたライブは北川潔(B)と大野浩司(Gt)デュオ、そして北川潔(B)と岩佐康彦(Pf)ディオの2Daysでした。僕もその現場に立ち会わせていましたが、本当に素晴らしいライブでした。

DVDはそのときの演奏を余すところなく収録して、そこから選りすぐった3曲ずつを収録したライブ映像作品になります。

以下、詳細です。

********
[タイトル] LAST NIGHT AT CORNER POCKET

[発売日] 2013年9月3日(火)

[内容] 2012年9月1日、2日の二日間にわたる北川潔氏と岩佐康彦、大野浩司各氏とのDUO LIVEより各日それぞれ選りすぐりの3曲、計6曲75分に及ぶ熱演を収録。Corner Pocket37年間の歴史の最後を飾る、これぞJazz Live Performance !! その圧倒的な美しく素晴らしい演奏をどうぞ心ゆくまでお楽しみ下さいませ。各氏の特別インタヴューも収録しています。

[価格] 3,500円



DVDの他にも、昨年閉店前に販売されたCP Tシャツ、そしてライブ盤とは別に「Memory Of Corner Pocket」と題した記念DVDも作られます。

詳細はCPのホームページやFacebookをご覧になって下さいね(予約方法などが記載されています)
Corner Pocket のお知らせページ
Corner Pocket Facebookページ
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一般に流通に流すことはせずにCPを通してのみの販売となるので、少し手間がかかっちゃいますが、その分きちんと手をかけて発送もされると思うので、あのときのライブをもう一度楽しみたい方、惜しくも行けなかった方、CPに思い入れのある方、北川さんや岩佐さん、大野くんの演奏に興味ある人はぜひぜひ購入してもらえたら、と思います。本当にいい作品になりますよ。

DVDをちょろっと覗けるPVも出来ました!

百田尚樹 – 輝く夜

クリスマス・イブをひとり寂しく過ごすことになった女性の物語5つ。どれも短編ながらぜんぜん違うシチュエーション、人物像なんかで描いていて、ちっとも飽きずに、でも短いからといって単純な内容でもなく、しっとりと読ませてくれた。さすが物語を生み出すのうまいなぁ。

願い事が3つ叶うという「魔法の万年筆」、偶然拾ったとても見てくれの悪い猫は実は…「猫」、若くして大病を患ってしまいせめて人並みの幸せを感じてみたかったと願う女性「ケーキ」、旅先でのちょっとしたウソが思わぬ遠回りを招く「タクシー」、度重なる不幸の痛手からあてどなく街を歩いた先で立ち寄った教会「サンタクロース」。どの話もおもしろかったけれど、どれかといえば「ケーキ」。主人公のささやかな幸せが走馬灯のようにまぶたのうらをめぐっていく気がする。

どのお話もうまくまとまってて、いい感じ。逆に言うと綺麗にまとまりすぎている気もするけれど。テレビぽいというか。しかし、まあでも今時そんなにクリスマス近辺が昔ほど特別感はないような気がするのだけれど、これは歳のせいかな。でもほっこりした。

講談社文庫 2010

辻仁成 – 右岸

先日読んだ江國さんの「左岸」と対をなす本。あとがきで読んで知ったけれど、もともとは江國さんと辻さんで呑みながら「だめだめな男女のおはなしを書こう」といって連載されはじめたそう。だけれども、ダメダメかなぁ?ダメダメかもしれないけれど、愛すべきダメダメさ、なのかも。

両方読み終わったからいうけれど、たぶん江國さんの左岸から読んだ方が最後まで話がクローズ(辻さんの本のほうが、より物語全体の構造というか、お話上の論点の帰結がわかりやすいかもしれないので、先に読んじゃうと江國さんの本のほうが、事実後追いのように感じるかもしれない)しなくていいような気がする。ま、たまたま好きだから江國さんから読んだけれど。もしかして逆でも、また楽しいのかもしれないけれど。

で、この辻さんのは物語の主人公の片方、祖父江九の物語。江國さんのを読んでいたときは、子供の頃は仲良かったのに茉莉の兄・惣一郎が死んでからは人間が変わってしまい、いつの間にかどっか放浪して、最後に帰って来たひと、みたいなイメージでしか(あとは時々寄越す手紙でくらい)なかったけれど、いやいやこの辻さんのほうの物語読むと、もしかすると茉莉以上に波瀾万丈の人生だったのかも。そして、物語の最後にどうやって再び茉莉と九が交わったのかがよくわかる。大いなる輪廻。

2つとも読むと見事に物語たちがシンクロし、過不足なくひとつのおおきな物語をつくってることがわかり、執筆段階での綿密な計画と周到な準備、そして2人の著者の見事な文章力に脱帽するしかない。とてもおもしろかった。やたらと盛り上がったり、おもしろおかしいわけではないけれど、2作品とも実に見事に各々の主人公の人生を描いているし、彼らの人生が、まるで自分のことであったかのように、走馬灯のように頭の中にありありと像を結んでいて、2人分の人生を生きたような気がする。

また、この辻さんのほうでは、九がいろいろ考えたり語ったりすることや、彼に多大な影響をあたえた黄色いオババの言葉、後の方にでてくる彼の前世に関わりのある人物が語る言葉が、ちょうどいま僕の人生にとても含蓄のある言葉として響いてくる。決して説教臭いわけではない。けれども、なにか迷いのあることそのものを発見させ、それについての対し方を教えてくれているような気がする。

ひとつ、オババの言葉:「人間は、苦しいのが当たり前なんだ。悲しいということが基本だ。寂しさから逃れられる者はいない。辛さから離れることは不可能だ。大なり小なり、みんな辛いんだ。それが、生き物の基本さ」(下巻p.171)

辻さん、江國さん、いい物語をありがとう。

集英社文庫 2012

 

有川浩 – レインツリーの国


山本弘氏による解説を読むまでなんとなくしか気づいてなかったけれど、この本のタイトル、同じ有川さんの「図書館戦争 図書館内乱」のひとつのエピソードにでてくる(架空の)本のタイトル。主人公の上官のひとりである小牧と幼なじみの難聴をもつ少女毬江の物語。そしてこの有川さんの物語も健聴者と難聴者の恋の物語(図書館戦争〜の中で小牧は毬江にこの本いいよと薦めた、なるほど)。見事にお話が入れ子になっていて素敵。さらにこのお話の中で主人公・伸行とヒロイン・ひとみが出会うのもある小説を通してのこと(しかもネットで)。このある小説のあらすじもやはりこの「レインツリーの国」とうまくだぶらせている部分があって、これまた素敵。有川さん見事です。

このお話もやはり有川さん、思いっきり恋のお話だけれど、今回は甘々ではなくて、ツンデレでもなくて、ちょっと厳しい恋。「図書館戦争シリーズ」の’床屋’と’理髪店’の下りを読んでいるような気分になった。知識としては知っているけれど(もちろん身の回りにもいないことはない)難聴者のこと。普段は何も気にせず「あ、耳が悪いのね」程度にしか考えてないけれど、ここででてくる、途中失聴/難聴/聾/聾啞の違いなんて知らなかった。知ってたとしても区別できないし、ましてやその人たちの立場を想像することなんかできるわけがない。でも有川さんはそれを(禁止語のときと同じく、これはメディア的にはNG的ネタだ)真正面から描き、「難聴の人は物語のヒロインになれないの?」といわしめた図書館戦争の毬江の台詞をまたここでも投げかけてくる。僕も含めた健常者(この言い方もおかしい気がする)なら、目を閉じて、蓋をして通り過ぎてしまいたくなる、知りたくない考えたくないと心のどこかで思っていた部分を明るい場所へもってきて、そこには違いがあるだけで優劣はないし、ましてや区別されるものではない、と教えくれた。

有川さんのこれらの本のほんと素晴らしいと思えるところはこれらのやもすれば重たい話題を「恋」というフィルターを通して知識としてではなく、感覚として説いてくれる部分じゃないかと思う。これらのことを論文然と書かれたら面白くないと思ってしまうけれど、有川さんのように楽しく哀しい物語として描いてくれたら、お話として楽しめて、そして彼らの気持ちになってこういった事柄に触れることができるんだと思う。勇気と根気をもって書いてくれて、そしてまた新しいことを教えてくれて、ありがとう有川さん。

新潮文庫 2009

田中啓文 – ハナシがうごく!(笑酔亭梅寿謎解噺4)


そして3につづき4も一気読み。だってやめられないんだもん。この巻も短編が8つ。どれも古典落語が題材で、目次見ているだけでも全部普通に落語できいてみたくなる(もちろん月亭八天さんの解説あってのことなのだけれど)。

襲名騒ぎや師匠梅寿の危篤などのどたばたがようやく一段落した梅寿一門であったが、大手プロダクションを抜けた彼らには仕事もなく、落語ブームもどこ吹く風。バイトしたり闇営業したり。そんな竜二にはやはりまだまだ波乱が。たまたま立ち寄ったなじみのライブハウスでインディーズ社長に気に入られて落語のCDを出そうと持ちかけられたり、甘い営業だと思って飛びついたら死にそうになったり、落語がまた嫌になって漫才に手をだしたり、、、そんな彼も3年目になっていよいよ内弟子から独り立ち。でも仕事はない。さてどうなるのか?

”謎解噺”というシリーズ名なので落語にかけたミステリーものという感じもあったけれど、いまはあまり謎解きものはなく、竜二の成長とどたばた、数々の難問どかどか、という感じ。でもちゃんと落語がネタになっているし、ますます噺家の世界に引きずり込まれるようで楽しい。個人的には最初の「二人癖」と「仔猫」が好きだなぁ。つづき出るのかなあ。竜二もっと頑張ってほしいなぁ。

集英社文庫 2011

田中啓文 – ハナシがはずむ!(笑酔亭梅寿謎解噺3)


自分のブログを読み返してみたら4年前に読んで以来のこのシリーズ。続きがあるのはもちろん知っていたのだけれど、なかなか出会わずで読みそびれていた。前のお話がどんなだったかはすっかり忘れてしまっていたけれど、読み始めるとだんだん思い出したのもあるけれど、とにかく面白くて一気読み。こんな面白かったっけ?!

ロックとバイクが大好きでめちゃくちゃだったがひょんなことから上方落語の大師匠である笑酔亭梅寿に弟子入りした梅駆こと竜二。彼が師匠や兄弟子たちにひどい扱いを受け、「もうこんなん嫌や」「落語なんか何がおもろいねん」とかいいながらも、少しずつ落語のよさ、いろんな面を知って行く。それでもたまにはめちゃくちゃしてしまうのだが、それでも破門にはならない。どうやら陰で師匠は彼に才能があると思っているようで‥‥

短編が8話。どれも古典落語が題材(モチープ)となっており、その解説を最初に月亭八天さんが軽く(しかもうまく)書いてくれているのもあるし、お話の中でもあらすじや背景なんかを説明してくれるので、面白い物語だけれど落語のいろはを知ることもできてとても楽しい。また竜二がめちゃくちゃだけれども憎めず、彼と一緒に落語というもの、噺家というものの世界を見聞きしていき、どんどんはまっていくのが楽しいのだな。

今回はテレビの時代劇がでてきたり、地方のどさ回り、さらには襲名の話まであってバラエティに富んでいて読んでて全く飽きない。ほんとこれ読んでると落語家さんたちに会いたくなるし、何よりも落語聞いてみたい。まともに聞いたことない。テレビとかでもやってるけれど、音楽と同じ、生でなければやっぱり伝わらないし、見続けられないのよね。あーいきたい。

集英社文庫 2010

PitFall

すごくすごく久しぶりに会いたかった人に会いました、けいちゃんです。Miceteeth.終わってからFlying Resisterとかでもしばらくいろいろやってましたが、みんな忙しくなったりいろいろあったりして、なかなか合うタイミングがなかったのです。でも、彼とは何かやっていたい。いつも彼が抱いているアイデアはおもしろいし、もちろんギターも好きだし。

先日、最近(なのか?)彼が遊び仲間というか飲み屋仲間で始めたバンドPitFallのレコーディングの手伝いにいってきました。彼の頼みとあっては万難を排する、というより、面白いに決まってるので、いつでも何でもやりたい、ハイハイ!といってしまうあたりが犬的なのですが、いやー、行ってよかった。楽しかった!ほんと信頼されてるのか「おまかせで!」と言われてやるこういうクリエイティブなレコーディングはいつも楽しいものなのです。

夜9時ぐらいにいって、そこから曲の説明とかしてもらったり教えてもらったりして、もう、イメージ一発でスタジオへ。何度か試して曲のイメージに合うさじ加減が分かったら、あとはもう録るだけ。自由にやらせてもらうの楽しいなぁ。3曲録ったけれど、とくに2曲目にやったさる有名なクラッシックの曲のカバー、結構いろんなアーティストがやってるけれど、これが斬新でよかった。もう最初からどうして欲しいか、やりたいか湧いてくるような感じだったので、それが重ねて(結局この曲ではソプラノ、アルト、テナーにフルート吹いた)出来上がっていくときのみんなの盛り上がり様が面白いのなんの。

結局3時間ぐらいで終えたけれど、そっからも聴きながらとか、いろいろ話したりとかうだうだ。この感じ、以前のMiceteeth.のアジトでレコーディングや練習やってたときの感じと同じ。楽しいなぁ。あれ、楽しい時間だったなぁ。これはミニアルバムみたいな形にしてライブとかで売るそう。あー、ライブとかそんなんにも行きたいなあ。

江國香織 – 真昼なのに昏い部屋


江國さんも文庫化されている分はだいぶ読んでしまっているので、なかなか新しいものに出会わない(古本屋さんでは。普通の書店にいけばきっとまだまだある)。これは新しい本だけれどたまたま本棚にあって、すぐに手に取った。やっぱり江國さんは理屈抜きに好きだ。

このお話はいままで読んだ中では結構激しい(という表現は適切ではないが)感じのタッチ。ざくっと言ってしまえば不倫の話なのだけれど、その不倫をしてしまう主人公美弥子さんの頑固なまでのまっすぐさ加減(何に対してもきちんとしていようとする姿勢がすごい)が、逆に振れたときにその不利幅が大きくなる感じが、今まで江國さんの本で出会って来たどの人物よりもはっきりしている(なんと言うかうまく書けないけれど、いままでももっと強烈な話や濃いシチュエーションなんかはあったはずだが、この本ほど明白というか、色彩濃くないというか)あたりが、全然違うなーと思わせる。ある意味怖い。

でも、いままですごく安らかな位置にいて、守られていて、その世界をきちんと司り、万事上手く行くことに身も心も砕いていた人間が、そういう部分をすっとばして、自分が知らなかった自分の側面を見せてくれ、それをあまりにも強烈に共有できるような人間と出会ってしまったら、その元の世界から飛び出てしまうことも致し方ないのかもしれない(彼女はそれを「世界の外に飛び出してしまった」と言い、元の場所を「対岸」と呼んだ)。そういうことを経験する人間は少ないだろうし、そうやって現実を飛び越えられる人もそういないのかもしれないし。でも、そんな恋愛(これはあくまで恋愛のお話)もあっていいのかなと。江國さんが描くとどうしても何かどこかへんてこりんに歪んだ感じもしなくはないのだが、そんな風にも思える。

しかし濃い話だなぁ。一気読みしてしまった。

講談社文庫 2013

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