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重松清 – 青い鳥


何かちょっとしたことで学校という枠組みからはみ出してしまう生徒。いじめをする、先生に楯突く、人知れず悩みを抱かえこむ、かれらを問題児と呼ぶのかもしれない。彼等もそうだが、もっと目立たずに密かに孤立してしまっている生徒など、いろいろ悩みを抱える子供たちがいる場所(クラス)にふとしたタイミングで国語の非常勤教師としてやってくる村内先生。彼はいろいろな学校に出入りしている。

彼は地味なおじさん。ちっとも格好よくない。しかもひどい吃音(どもり)なので、生徒からは「何をしゃべってるのかわからない」と不評をかい、誰にも相手にされなかったりする。でも村内先生はちゃんとしゃべれないから、”たいせつなこと”だけ必死にしゃべる先生なのだ。正しいことではなく”たいせつなこと”。本当にたいせつなことというのは何か、彼はひどいどもりなのに、それらは悩みを抱える生徒にはまっすぐに響いてくる。ひとりぼっちにならないようにそっと寄り添うことが大事なんだという村内先生。

重松さんは少しこの村内先生に自身を投影している、とあとがきで書いている。自身も吃音なので教師免許をとったけれど、あきらめたという経緯があるらしい。こんな先生がいたらな、という彼の希望なのかもしれない。実際ぼくもこんな先生がいたら素敵だったろうなと思うし、昔すこし学校の先生というものに憧れた時の気持ちがよみがえってくる。ものを教える、ということじゃなくて、生徒達と一緒にいて、悩んだり笑ったり怒ったりできるような大人、そんな姿に憧れた。

どの物語も派手でもなんでもないけれど、じんわり、そう、5月の夕暮れとか2月の肌寒い快晴の日のような晴れ晴れしくないけれど、すっと沁み込んでくるような空気のように、心を満たしてくれるおはなしたち。とてもよかったです。

余談だけれど、2話目「ひむりーる独唱」ででてきた草野心平さんの一連のかえるの詩が気になり彼の本を入手。かえる好きなのよね。

新潮文庫 2010

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