仁川ファイト倶楽部セッション

西宮北口のコーナーポケットが閉店してから、学生さんから社会人、そしてプロも関係なく集まるような身近なセッションの場がなくなっていまい、昨年「ファイト倶楽部」と名付けて仁川で2度ほどセッションを開催しましたが、それとは別に「年末セッション」という名前でCPのかーちゃんが主催していた毎年恒例のセッションと合流して、この度「仁川ファイト倶楽部セッション」という名前で新たにセッションの場を設けて、また一からみんなが「自分たちが自由に遊べる場所」としてのセッションをできる場所を作って行こう!ということになりました。ぼくはまぁ、言い出しっぺの一人ということで、できるだけその場に参加し続けるつもりです。

今までの流れ通り「特定のホストバンドはいない」「特に名簿などつくって呼び出したりしない」「譜面は(なるべく)なし」というルールだけ残して、あとはこれからみんなでわいわいその場所を育てていけたらな、とおもいます。いろんなひとが集まって切磋琢磨して、たまにはへこんだり、喜んだり、思いがけないハプニングがあったりと、楽しんでいける場になればなぁとおもいます。ですので、お時間あればぜひぜひ参加いただきたいです。幅広くお待ちしております。

できればまずは2月に一度ぐらいのペースをまずつくって、そこからは流れに任せていけたらいいなーとおもいます。で、次回は以下です。

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仁川ファイト倶楽部セッション#1

[月日] 2014年3月9日

[時間] 14~20時

[場所]さらら仁川 北館二階音楽スタジオ
(阪急今津線 仁川駅前)

[参加費]\500
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また、このセッションを定期的につづけていくにあたって、いま現状ではセッション事に好意でお借りしているいくつかの機材を順次購入等して準備していけたとおもっています。現状足らないものは、

・ドラムのシンバル類(ライド、クラッシュ)
  (ハイハットのみあります)
・ギターアンプ
・アコースティックベース

です。どなたか譲って頂けたり安く売って下さる方大募集中です。

よろしくお願いしますー!

C.W.ニコル x 南健二 – けふはここ、あすはどこ、あさつては

山頭火のほんとうに自由で素晴らしい俳句と、ニコルさんを撮った南さんの写真および挿入文で綴られた本。

南さんとはずいぶん昔に彼が最近まで開業していた長野の黒姫にあったペンション「ふふはり亭」を通して知り合った。もう20年以上前になるけど。それからこの宿には何度か訪れたことがあったのだけれど(本当に素敵な宿でした。時間がゆっくり流れ、食事がおいしく大切にされていて、そしてみんなで呑むのが楽しかった)、廃業されてからは年賀状のやりとりをするぐらいになってしまっている(もしくは地震や大雪のときに様子伺いの電話をしたりする)。

そんなやりとりの中、昨年の年賀状にこの本の出版のことが書かれていたので、早速買ってそのページを開いてみたのだけれど、その写真と文章とそれについた山頭火の句がすばらしすぎて、一気に読むのがもったいなくて、時たま新しいページを繰ってはひとりじんわりしてまたページを閉じるということをしていたら、読み終えるのに半年以上かかってしまった。一説では生涯に数万句詠んだという山頭火だけれど、この本に収録されているのは57。でもそれほど味わえる本だった、ということなんだろう。

もともとは山頭火の句を黒姫の山野の写真やニコルさんの写真につけたような写真集のような感じにしようとしていたそうなんだけれど、ある日南さんが山頭火の句にいままで自身が撮りだめてきたニコルさんの写真がぴったり合うということに気づいて、こういう形にし、さらにニコルさん来日50周年(!)ということもあって、彼の業績を称えるためにも文章をそえて、という形で刊行したそう。

なので、その句と写真とのマッチングが、、、ニコルさんと一緒に過ごし、よく見て、よく話して、よく呑んだ、そんな友人以上の視点からしか出せないような見事なマッチぶりで、写真を見るだけでも素敵だなとおもえるのに、それに寄り添う山頭火の句と相まってなんともいえない静かで力強い感動を与えてくれる。そして南さんの文章を通して伝わってくるニコルさんの姿や考え。もう山頭火が句を詠んだのは70年以上ぐらいまえなのに、今にも通じる普遍的な感覚、問題意識、そういうものをこの作品は教えてくれる。

しかし、ほんと全然知らなかったとはいえ(一番有名かもしれない『分け入つても分け入つても青い山』ぐらいは知ってたけど)、どの句もしばられない自由さを保ちながら、最小限のことばでその景色/情景/心情をうつしとって、ほんとに見事としか言いようがない。

ああ、この写真も、ニコルさんや南さんという存在も、山頭火の句も、どれも美しく、素敵で、うらやましい。

 

どれもいいけど、心に留まった句をいくつか

 

うしろすがたのしぐれてゆくか

 

いちにち物いはず波音

 

月へひとりの戸はあけとく

 

しみじみ生かされてゐることがほころび縫ふとき

 

清水弘文堂書房 2012

satoko@valentine drive

satoko5 at valentine drive (photo by sekine)
satoko5 at valentine drive (photo by sekine)

先日15日、久々に名古屋へライブにいきました。ボーカルのsatokoさんのバンドというかセッションで、名古屋は今池にあるvalentine driveというお店に出演しました。ここは初めてのお店だったので、いつも気になるように音の具合とか、居心地とか気になっていたのですが、雰囲気もすごくよかったし、音響もピアノの調律もちゃんとしてくれてとてもやりやすく、気持ちよくライブさせてもらえました。

今回は混成メンバーということで、ベースにはほんとすごく久しぶりに出宮氏、で、ドラムは初めまして(4月にもご一緒することきまっている)の則武氏だったので、さてどうなるかなーと思っていたのですが、これがsatokoの楽曲やイメージとぴったりだったし、へんな先入観なしにどんどんやってくれたので、僕と清水さんも鼓舞されて全体としてすごくマジックがかかったいい演奏になったと思います。すごく楽しかったです。音楽が自ら発展して行って、ぼくたちはそれに沿っているだけ、という久しぶりの感触でした。こんなのあるから音楽/ライブやめられないのですよねぇ。

なんせお店もメンバーもすごくよかったです。沢山のお客さんに来て頂けたし(初めての方々に聴いてもらえるというのはとてもうれしいことです)。ピカイチ美味かったし(笑)

またぜひ訪れたいと思います。みなさんありがとうございました!

ピカイチの台湾ラーメン。右から辛さ3、7、10(!)
ピカイチの台湾ラーメン。右から辛さ3、7、10(!)

お知らせ/お詫び 2014/2/14

お知らせ、およびお詫びです。

本日2/14に予定しています、Shu(Vo)のバレンタインライブ@松原MJ Cafeですが、大雪のため(夜になって足下悪くなることが予想されますので)キャンセルとなりました。演奏を楽しみにされていたみなさま、誠に申し訳ありません。楽しい演奏になるメンバーだったので残念ですが、またこんな機会を持てたらと思います。よろしくお願いします。

本日は全国的に厳しい寒さと雪、凍結が予想されます。みなさまお気をつけて下さいね。

西加奈子 – さくら

はじめて読む西さん。たしかなんかの席でラッパのコウくんにこの西さんを勧められて適当に手に取ってみた。

ある一家のおはなし。子供の頃から街中の注目を一心にあびて何でも出来て、かっこいい、そんなヒーローだった兄が事故にあい、命はとりとめたもののその後死んでしまって、そこから家庭はおかしくなってしまった。超兄想いだった妹は人と関わらなくなり、父は失踪、母はやたらと太って、主人公のぼくは家をでて東京へゆく。そしてかわらなく家にいるのは、顔にぶちのある犬、さくら。そんな見捨てた家だったのに、ある日失踪していた父から手紙が届く。年末に帰ってくると。そこでぼくも久しぶりに実家に帰ることに。。。

どこか不思議な、意識がちょっとだけゆらゆらしている時間に経験するような、明瞭だけれどぼやけていて、それでも嫌じゃない、あんな感じの感触がある。おもに物語が昔話ばかりだからかもしれない。何か遠い昔のできごとを思い出すとき、目をあけていて何かそこに映っていても、昔の映像がフォーカスしてきてそれに薄く重なってくる感じ。文章にどういう工夫があるのかわからないけれど、そういう感覚をおこさせるものがあるように感じた。なんだろう、うまく書けないけれど、ゆっくり断片的な記憶を掘り起こしていって、それらが繋がって行く時の「ああ」という感じ。久しくそういうことしてなかったから、その懐かしい感じ(懐古する感じ)を味わう。子供のときの記憶って、なぜかぜんぶ白いよね。

ストーリーのことは、なんだかうまくまとめられそうにないので書かないけれど、すごく気に入ったのは、サキコさん、の下り。すごくおもしろいシーンということもあるけれど、実はすごく考えさせられる部分だとおもう。サキコさんはぼくと兄と妹にいう「いつか、いつk、お父さんとお母さんに、嘘をつくときがくる」「嘘をつくときは、あんたらも、愛のある嘘をつきなさい。騙してやろうとか、そんな嘘やなしに、自分も苦しい、愛のある、嘘をつきなさいね」なんていい言葉。他にも好きなシーンあるけれど、ここが今は一番印象に残っている。

そして、ぶちのある犬、さくら。彼女がまたかわいい。一生懸命にしっぽを振ってなにか話しかけてくる。たとえば「あああ、こんなにタワシがいっぱい!」とか「ボール!あの、軽やかな跳ね!」(笑)。うちは猫がいるけれど、ニュアンスは違うけれど、動物の家の中での立ち位置ってこんな感じ。すごく救われる。猫なんていてもいなくても同じように寝てるだけなのに。

あとこの舞台がほとんど大阪弁で描かれているのも、なぜかすっと物語にとけ込めた要因かも。そう、なんか物語を読んだ、というより、とけ込んだ、という感じのする本だった。もっと西さん読もう。

小学館文庫 2007

2014.2月のスケジュール

2014.1 2014.3 >

201402

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2/1(Sat) チャーリーニーシオ
■ Elvis Swing Night!
武庫之荘 Live Spot Arrow 06-4962-5664
18:00 Open 19:00 Start \3,000
[メ]チャーリーニーシオ(Vo)、村上剛(Pf)、多田義則(B)、三夜陽一郎(Ds)、酒井ヒロキ(Gt)、武井努(Sax)
20140201

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2/3(Mon) 生島・武井DUO
高石 Re楽xs 072-266-8839
19:30~ \1,500
[メ] 生島大輔(Pf)、武井努(Sax)
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2/5(Wed) MITCH & 韻シストBand
大阪 大日 HADOWS 06-6903-1778 (イオン大日店4F)
Start 18:30- \2,100
[メ] MITCH(Tp,Vo)、韻シストBand、武井努(Sax)
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2/7(Fri) 吉岡かつみ with 武井努3
大阪 芦原橋 studio & cafe MAKE 06-6562-3294
19:30〜 \3,000 (1drink付)
[メ] 吉岡かつみ(Pf) from 福岡、武井努(Sax)、萬恭隆(B)、橋本現輝(Ds)
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2/8(Sat) 吉岡かつみ with 武井努3
神戸 元町 cafe 萬屋宗兵衛 078-332-1963
19:30〜 \2,500
[メ] 吉岡かつみ(Pf) from 福岡、武井努(Sax)、萬恭隆(B)、橋本現輝(Ds)
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2/10(Mon) 武井・馬田DUO
西宮 Three Codes 0798-55-5184
19:30~ \500 (つけだし\500)
[メ]武井努(Sax)、馬田諭(Gt)
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2/12(Wed) E.D.F.
大阪 芦原橋 studio & cafe MAKE 06-6562-3294
[メ] 清水武志(Pf)、田中洋一(Tp)、武井努(Sax)、光田じん(Ds)、東ともみ(B)
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2/14(Fri) Shu
■ Valentine Live♡
大阪 松原市 MJcafe 072-334-2456
[メ] Shu(Vo)、杉山悟史(P)、武井努(Ts,Ss)、椿原栄弘(B)
20140214

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2/15(Sat) satoko
名古屋 Valentine Drive 052-733-3365
19:30〜 前\2,800/当\3,000
[メ] satoko(Vo)、清水武志(p)、出宮寛之(b)、則武諒(ds)、武井努(Sax)
20140215

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2/18(Tue) 武井・馬田DUO
寝屋川 萱島 OTO屋 080-6126-1529
20:00~ 2,500
[メ]武井努(Sax)、馬田諭(Gt)
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2/19(Wed) MITCH
大阪 梅田 ニューサントリー5 06-6312-8912
19:30~ 1,800
[メ]MITCH(Tp,Vo)、永田充康(Ds)、武井努(Sax)、時安吉宏(B)、杉山悟史(Pf)
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2/21(Fri) Shu
兵庫県 篠山 お菓子の里ミオール館 079-590-2133
13:30~15:30(2set) 3,000yen (ケーキセット付)要予約
[メ] Shu(Vo)、Phillip Strange(Pf)、武井努(Ts,Ss)、魚谷のぶまさ(B)、竹田達彦(D)
20140221

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2/22(Sat) 中島・武井Duo
豊中 我巣灯 06-6848-3608
19:00- 2,000
[メ]中島教秀(B)、武井努(Sax)
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2/23(Sun) E.D.F.
徳島ジャズストリートVol.52
徳島 秋田町 アンカー&ベイ 088-623-7768 22:00-
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、光田臣(Ds)、西川サトシ(B)
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2/24(Wed) 永田充康5
大阪 梅田 ニューサントリー5 06-6312-8912
19:30~ 1,800
[メ]永田充康(Ds)、武井努(Sax)、加納新吾(Pf)、荒玉哲郎(B)、TAKU(G)
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2/25(Tue) 藤井郷子Orchestra KOBE
神戸 三宮 Big Apple 078-251-7049
19:30~ 前3,000/当3,500
[メ]藤井郷子(p)、田村夏樹、瀬戸一成、James Barrett、有本羅人(tp)、三原智行、今西祐介(tb)、岩田江、水谷康久(as)、荒崎英一郎、武井努(ts)、登敬三(bs)、西本翔一(tuba)、清野拓巳(g)、船戸博史(b)、井崎能和(ds)
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2/26(Wed) 嘉本信一郎 with 武井努
大阪 芦原橋 studio & cafe MAKE 06-6562-3294
19:30〜 \3,000 (1drink付)
[メ] 嘉本信一郎(Ds) from 東京、武井努(Sax)、清野拓巳(Gt)、萬恭隆(B)
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2/27(Thu) セロニアスモンク大学 / Words Of Forest
大阪 梅田 Always 06-6809-6696
open 19:30 / start 20:00
 Charge 予約\3,500 当\3,800 学生\2,500
[メ]セロニアスモンク大学:定岡弘将(ds/voice)、當村邦明(sax)、関谷友加里(pf)、畠山令(b)
Words Of Forest:森本太郎(ds)、武井努(sax)、今西祐介(tb)、清野拓巳(gt)、三原脩(b)
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川上弘美 – どこから行っても遠い町


以前読んだ「センセイの鞄」もよかったけれど、この本の方がさらに好きかもしれない。都心から電車で20分ほどの郊外にある小さな町が舞台。そこに住む普通の人たちが主人公。とくに目立った人がいるわけでもなく、予備校の先生だったり、魚屋さんだったり、喫茶店なのか居酒屋なのかわからないお店の店員さんとかとか全員がいわゆる普通の人たち。

でもそんな普通のひとたちでも人生は平凡なわけではない。その人本人が平凡と思っていても他所から見ると平凡ではないし、普通なことは普通ではなかったりする。誰もがすこしずついいところも悪いところもへんてこなところももって、それぞれ生きている。

この本は11の物語で描かれていて、それぞれ違う人が主人公のお話なのだけれど、小さな町が舞台なのでその主人公になるひともそれ以外の人もいろんな話にでてきたり、話題に上ったりする。一人称でかたる視点と、まわりから見える姿、そして人の口にのぼった姿、いろんな姿がちょっとずつ重なって、今の、この町の様子、人々の暮らしができあがっている。

どこかにあるんだけれど、そこにはたどり着くことのできない不思議な町。でも人はちゃんと生きて、そして死んでいく。決して何か大きなことが起るわけでもないけれど、何もないわけではない。ちょっと時間が止まったように感じてしまう世界感。川上さんが生み出すなにか実態のない実は得体の知れない不思議な空間に引き込まれると、もうその世界に自分も所属してしまっている錯覚に陥って、町の住人のひとりとなってあちこちうろつきはじめたりする。

この本の感想はうまくかけない。読んでいるときはしっかりとその世界を感じているのに、本を閉じるとまるでゆめうつつであったかのように、物語とその感触はすっと遠のいてしまう。だからまた本を開いてそこにいる人たちに会いに行ってしまう。どうなってるのかよくわからないけれど、この本は好きだ。

解説で松家仁之さんが上手く書いてくれているので、それを参考に。

新潮文庫 2011

E.D.F.東京2Days珍道中

(長文駄文ですw)

1/22,23とE.D.F.で東京に演奏にいってきました。もう22年やっているバンドなのに実は東京は初めて。以前は四国などにぼちぼち行くこともあったのですが、最近ではもう大阪だけでやってるような感じだったので、とても新鮮(バンドでこうやってどっかに行くのはいつでも楽しいものです)でした。

もともとは23日に催されたNHK-FMの公開収録コンサートへの出演依頼があったことが発端だったのですが、それだけだと面白くないなーというのと移動のしんどさを考えて(早起きして新幹線>ライブ>とんぼ返り、という方法もあったのですが)折角の機会だから前日にいってライブやって、そしてNHKいったらええやん、という話になり、1/22に池袋Apple Jumpにてライブをという段取りにしました。

機材と5人が楽に乗れるレンタカーを借りて朝早くに光田さんと僕と田中くんで集合して出発。奈良の西川さんちに清水さんが集合していたので、そこに行って荷物を乗せかえて、いざ5人で東京へ。こうやって一台の車にバンド全員でのって移動して、というのはもう15年以上前に松山に行って以来かも。車内は終始愉快(のんびりしたバンドなので家族みたいですw)で、道も空いていて楽なドライブでした。5人とも運転できますしね。

マスクマン達その1
マスクマン達その1

マスクマン達その2。しかし全員これだと怪しいだけやなw
マスクマン達その2。しかし全員これだと怪しいだけやなw

無理もせずまあまあなペースで、名阪から東名阪、伊勢湾岸をとおって東名から新東名。新しい道は走りやすいです。浜松SAでご飯食べて、そのままひた走ってやがて御殿場からまた東名に。そういえば昨年の同じ時期に東京に車でいった(PANDEMIKだったなぁ)とき、この足柄以降で大雪になって朝10時に足柄SA出たのに池袋に夜8時に着くというえらい事態があったなぁとか思い出したり。今回は順調に見えてたドライブだけれど、やっぱり知らない車ってのは厄介なもので、後もう少しで東京というとこあたりでガソリンのEmptyランプが点灯。普段乗っている車ならだいたいあとどれくらい走るかわかるけれど、知らない車だわ、燃費わからんわ、でも海老名も越えてしまってもう高速上にガソリンスタンドないわーという緊急事態(?)になったのですが、なんとか用賀まではもって、そこでガソリン入れて一安心(笑)。そして池袋へ。

 

天気よかったのに富士山は雲の帽子
天気よかったのに富士山は雲の帽子

ちょっと宿で休んで、Apple Jumpへ。ライブをやるにしてもどこでもいいという訳ではなかったので、ある程度の広さがあって、ピアノがよくて(ここが大事)、誰かいったことあるお店、ということでApple Jump さんに依頼したのですが、清水さん以外初めましてーという状態でしたが、お店の音もよく(お客さんが入ったらどうなるのかなーという感じでしたが、それはやりながら考えればいいので)、リハもちょっとやっていい感じでライブ迎えられそうでした。でもやっぱり東京、お客さんの入りとかなんだかんだ緊張します。

おまけにどうやらぼくは西川さんから風邪もらったみたいで、ちょっと熱っぽくふらふら。でもなんとかうどん食べたりして(池袋の西口五叉路のとこの君塚いいですねぇ)体力温存を図るものの、あ、折角なのにカメラ忘れたと思って宿に取り帰ったところ、ない。。。あれ?と思って車を見に行くと、あ、座席にある、しかし鍵は持ってない。。。なのでお店にもどって光田さんに聞くと鍵もってない、、、え?もしかしてキーインロックした?!?!しかも今の車って、なんて言うんですか、スマートキー?鍵穴がない車。どうしよう。

。。。落ち込む2人。まぁ、JAFでも呼ぶかー、みたいな話をしながらレンタカーの車種(エスティマだった)のことを調べていると、もしかしたら鍵開けるの大変かもしれない、JAFでは無理かも、もしかして交換?みたいなことになり、ますますピンチ。でもこういう車はキーをインロックできないようにしてあるらしい、ということらしく、とにかくライブ終わってから見に行こうと。

さて、そんなことは関係なくお客さんはどんどん集まって下さって、ライブ始まる前にはほぼ満員に。芸大や、クライドライト(ツーリングクラブ)の懐かしい面々、清水さんの2CV仲間、僕の所属してきたクラブの先輩・後輩、知人などなど、ほんとうれしかったです。そんなみなさんに囲まれたので、東京なのにまるで大阪でやってるライブのような雰囲気と盛り上がりで、やってるほうも、きっと聴いて頂いてる方々にも、お店にもいい時間になったんじゃないかなーと思います。結局えらい遅くまで(23時前)やってしまったし。いやー、熱い夜でした。

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Apple Jump

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(photo by KARA)

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(photo by KARA)

(photo by KARA)
(photo by KARA)

終演後、お客さんともだらだら話たりしているうちに時間も深夜になってきたので、みなさんとは別れを惜しみ(また明日会える人もいるし)、お店をでていったん宿に荷物ほりこんで居酒屋へ。そう、今回のこの旅、バンド内では演奏ツアーではなくて”慰安旅行(演奏つき)”って感じで(笑)。演奏よりこっちが大事だったりしてw

0122-5
おっつかれさまでしたーー!!!

まぁまぁ飲んで(でも若い時のようにみんなでバカ飲みはしなくなった。だってもう全員40越えたもんなぁ)、明日のセットリスト何にしようかいろいろ意見を戦わせて(?)、んで、ゆっくり寝ました。あ、心配していた車のキーですが、結局ロックされていなくて(つまりキーが入ったまま、ドアも開いてた。よくパクられなかったな。。。)

***

で、明けて23日、NHKの収録の日。なんか緊張してたのか、それともぐっすり眠れたからなのか、チェックアウトよりはずいぶん早く目が覚めてしまったので、天気もよさそうだったしちょっと散歩に出ました(東京にくるといつも散歩ばかりしてます)。昨晩はよくわかんなかったのですが、Apple Jump のすぐ裏というか隣のブロックは立教大学だそうで、そこに行ってみようと。ちょうど2限目(って今でも言うの?)ぐらいの時間だったのか、駅から続々と若者が。私立だからなのか、いまはみんなそうなのか分からないですが、みなさんお洒落!(ぼく大学いってたころは、僕も含めダサかったもんな)そしてキャンパスも結構広くて、お洒落!生協の食堂ではなくてお洒落なカフェがあったり、売店じゃなくてキオスクみたいなんがあったり。あんまりきょろきょろしてると怪しまれる(十分怪しいですが)ので、すすっとキャンパス内を散歩して、近所のえらい安い喫茶店でコーヒーを。うーん、いい午前、完璧(笑)

綺麗なキャンパス♪
綺麗なキャンパス♪

ストレートコーヒー200円也
ストレートコーヒー200円也

そして、チェックアウト時間に集合して、近所でご飯を揃って食べ(みんな同じもの頼んだりする辺が可愛いw)、いざ渋谷へ。ちょっと予定時刻より早く到着してしまったけれど、スムーズに入構させてもらえ、ふれあいホールへ。このNHK渋谷にくるのは20年ぶりぐらいかなぁ。モダンチョキチョキズでPOP JAMにNHKホールに出たとき以来かも。ふれあいホールはそのNHKホールの隣の新しそうな施設。200席ぐらいですごく天井も高い。楽屋入りして今回の仕掛人となったM浦さんにご挨拶(実は昨年の高槻JSのときに声をかけられたのでした)。その後ホールでスタッフのみなさんとの顔合わせをし、サウンドチェックからリハーサルを。

ステージから。このノイマンのM149 tube(多分)めちゃよかった
ステージから。このノイマンのM149 tube(多分)めちゃよかった

いやほんと驚いたのですが、このホールのやりやすさといったら!響き自体もですが、モニターの返りがとてもよかった。普通機材やらチューニングの問題でだいたいまぁこんなもんかな的な音で、それを実際の自分の音のイメージとの差分を感じて(自分なりに)補正してやる場合がほとんどなのですが、そのまんまの音で返ってきた(しかも適度な音圧で)のでびっくりしました。とくにジャズのようなアンサンブルが大事な音楽やるときにモニターというのはどっちかというと邪魔(広いステージだと致し方ないが)なもんなのですが、ここは素晴らしかったです。もうほとんど何も注文することないほど。ライブハウスでやっているときと同じような感覚の音場で、すごいやりやすかったです。

そして時間や照明の加減をチェックしながらの全曲リハーサルやら、放送時の番組司会となる浜中アナウンサーからのインタビュー受けたりしているうちに時間は経ち、NHKの食堂にご飯をたべにいって(たぶん大河ドラマ撮影中の役者さんがいた。侍の格好のまま自販機の前で仁王立ちしてはったw)、あちこちうろうろしたかったけれどそれはやめて楽屋でわいわい。そのうち客入れ(一瞬で満席になりました)をして、いよいよ開演時間に。

事前のアナウンス(やっぱ拍手の練習とかするのね)の後に紹介を受けてステージ上へ。満員のお客さん、ほとんど初めましてなので緊張するけれど、でもいつもの感じで演奏を。番組のテーマ曲であるC Jam Blues(清水さんアレンジ)からスタートして、E.D.F.の(というか清水さんの)名曲のオンパレードを。でも普段やってる曲ばかりじゃなく、番組にあうような選曲にしたのと、なんといっても放送用なので時間がきっちりしているので、そのあたりでちょっと普段のいい意味でだらっとした感じにはなりにくかったかもしれません。

それでもお客さんのあたたかな拍手とかけ声に励まされ、最後まで楽しく演奏できました。きっとえらい緊張してて、しかもえらく間違ったりしたけれど、ちょっとはE.D.F.の魅力が伝えられたかな?と思います。もっと知られたいですから、E.D.F.と清水さんの楽曲は。

リハーサル中
リハーサル中

照明・美術もとてもいいです
照明・美術もとてもいいです

おー!NHKのマイク!
おー!NHKのマイク!

社員食堂でごちそうさま
社員食堂でごちそうさま
本日のスケジュール
本日のスケジュール

本編はゆるいしゃべりも含めて(今回はなんだか一つのネタを押しまくりましたねえ、しゃべりも緊張したわー)1時間ちょっと。放送時間的にはちょっとこぼれてしまったけれど、MCをカットしたら曲は全部放送できるサイズだったかなーと思います。で、アンコールでまたステージに上がったのですが(これは本放送とは関係なく、アンコール集みたいな放送がある)、そのときは時間のこと気にしなくていいので、しゃべりも演奏もなんだかいつもの雰囲気で。なんて分かりやすいバンド(笑)。

最後までみなさんに熱心に聴いてもらえてうれしかったです。知った顔もちらほら来られてましたし。うわーっと盛り上がるというよりは、じわーーーっと沁み込むような感じだったんじゃいかと思います。来場いただいたみなさん本当にありがとうございました。そしてM浦さんをはじめスタッフのみなさま、本当にありがとう&お世話になりました。失敗いっぱいしてるけれど、放送楽しみ。。。でも怖いなぁ。。

で、いろいろ挨拶などして片付けて、機材をまた詰め込んで渋谷を後に。高速道路にのって走っているとこの2日間なんてあっという間の出来事で本当にあったことかなー?なんて思ってしまいました。夜中には綺麗な半月が昇ってぼくたちの帰路を見守ってくれていました。

で、この収録の放送はNHK-FMで4/6の22:30-23:30の予定です(再放送は4/11 10:00-11:00)。お時間ある方ぜひエアチェック(懐かしい言葉!)してくださいね。また近づいたらアナウンスしたいと思います。

ほんと、みなさん、お疲れさまでした!!

ありがとうございました!
ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

田中啓文 – こなもん屋うま子


この本はほんとにおもしろい!おもしろい!おもしろい!しかも大阪満開だし。大阪のいわゆる”こなもん”文化(こなもん=粉もの=小麦粉などでつくる料理すわなちお好み焼きやらたこ焼きやらうどんやら)とか”大阪のおばはん”という生態を知ってた方がよりおもしろく読める。いちいちうなずけることが多かったのですごく楽しく読めた。

大阪のどこかにある馬子(うまこ)というおばはんがやってる”こなもん全般”のお店、馬子屋。何か悩みをもつ人が偶然行き着くそのお店はこなもん料理ならなんでもあるというお店で、たこ焼きもお好み焼きもうどんも何もかもが絶品という不思議なお店。人間観察が趣味の男、東京から都落ちしてきた元アイドル、うどんが嫌いな上方の噺家、プロジェクトに行き詰まった男などなどいろんな人間がこの馬子屋でこなもんにはまっているうちに騒動に巻き込まれ、物語が急展開し、馬子の手腕でアクロバット的な解決を見る!?

7編の短編から構成されているけれど、どれもほんと面白くて、そして描かれている食べ物がこれまたどれもおいしそうで空腹のときに読むと腹立つぐらい(笑)。食べ物にももちろん詳しい田中さんだけれど、ちょっとした歴史ものとか、ヒーローとか怪獣とか落語とかそういう田中さんが別で手がけているものの片鱗がちょろちょろ出てきたりしてそれがまた物語をより立体的にしているように思う。全体にはすごく軽くて読みやすいのだけれど、実は細かいとこがよく描かれてると思う。

僕はもともと大阪の人間なのでこなもんは大好き。うどん、お好み焼き、焼きそば、たこ焼き、焼うどん(これ出てこなかったなぁ)あたりが好きだけれど、やっぱり一番はうどん。そしてうどんの中でも一番に好きなのは讃岐うどん。本編では大阪のうどんと比較して「四国ではうどんにしょう油かけて食うてる?アホちゃうか。出汁作らんでええねんやったら、うどん屋はすぐに蔵が建つわ」と馬子に一蹴されてしまっているけれど、いやいやこなもんというのなら讃岐うどんのほうがよりこなもんだと思うんだなー。一般に讃岐うどんといったら”しこしこで、のどごしつるつるのエッジの立った麺”とか”いりこを主とした濃い出汁の味わい”というとこがクローズアップされがちだけれど(もちろんどっちも好き)、僕が思う讃岐うどんの魅力であり、よりこなもんぽいと思わしめるのは、讃岐うどんの小麦粉の強烈な匂い、なのだ。あの掘建て小屋のようなうどんやさんに近づいたときに漂ってくるうどんを茹でる匂い、そして食べたときに口腔内に広がる小麦粉の香しい匂いといったら。。。といったら、くぅー、たまらんのー!大阪のうどんも好きだけど、匂ってくるのは出汁の香りだもんなあ。

話がもううどんのほうにしか行かないけど(笑)、「おうどんのリュウ」でも書かれているように『最近増えた「こだわりのうどん専門店」はぼくの性に合わない。ぐずぐずしていると、ゆがきたてを味わってほしいからすぐに食べろ、とか、生しょう油はこうかけろ、とか、出汁はこういう風に飲め、とかうるさいことを言われるし(後略)』ような店がとくに都会で増えてきたのもアホらしくて情けなくなる。好きに食べたらええのになぁ、うどんなんて、庶民のくいもんやん。ちゃんと仕事をしてるお店は必ずこだわりあるはず、口に出さないだけで。口に出すと言うことは逆にそうでもいわんと自信がないんか?と勘ぐってしまう。ラーメン店がその最たるものよね。

で、都会でよくある讃岐うどんを看板にするようなお店だけど、作り立てのうどんを食わすセルフの店と謳ってるのに、やたらレジ遅くて並ばせたり(のびてまうがな)、ネギやショウガを自分で入れられなかったり(セルフちゃうやん)、しょう油うどんのほうがかけうどんより高かったり(本来なら出汁の方が手間かかって高価になるはずなのに。同じ値段にせー、同じに!)、ひどい店になるとショウガおいてない店もある。匂いの強い麺とそれに負けないようにちょっとエグイ出汁(もしかしたら順番は逆なのかもしれないが)でつくるものなのに、そんなん七味で食べれるかいな。ショウガとネギが揃って全体のバランスが取れるのに!

あ、文句ばっかり書いちゃった。。。。

なんせうどんが好きなんです。とくに讃岐うどんが。なんで、解説で日本コナモン協会会長(そんなんあるんや、入りたい‥‥)の熊谷真菜さんがこなもん文化の根底にある出汁についてすごく語ってらっしゃるけれど(それは無論すごく大事)、うどんに関してだけ言うとやっぱりこなもんというとぼくは讃岐うどんのほうに軍配があがるのです。

そういや、昨日も今日も立ち食いうどんたべたな。。。余談でした。。。

いやーほんとに面白かった。田中さんごちそうさまです。

実業之日本社文庫 2013