久しぶりに北森さんの本。これはまた別のシリーズ。もともとは怪盗とまで呼ばれた男がひょんなことから貧乏寺の住職に助けられたことからその寺(京都に実在する)の寺男として働くことになるのだが、なぜか彼のもとには京都でおこる怪事件が舞い込んでくる。
主人公の見事な行動力と推理力、住職のとぼけているが的を得たアドバイスにより事件の真相は徐々に明らかになっていく。しかし最後の決めては主人公の昔取った杵柄、怪盗の技術、そして仲間たち。
どこか愛すべきキャラの主人公とその周りの人間たちが軽妙なタッチで生き生きと描かれ、読み飽きない長さの短編、そして京都ならではの風物、食べ物、文化などなど、京都好きな人にもぐっとくる文章がとても楽しい。おいしいもの食べたくなるなぁ。
このシリーズのほかの本も読みたいねぇ。
光文社文庫 2006