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三浦しをん – 風が強く吹いている


たぶんはじめての三浦さん。装丁の絵からもわかるようにランナーのお話。もうちょっとちゃんというと箱根駅伝のお話。才能あったのに怪我であまり走れなくなったさる大学の陸上部の男が才能に恵まれた男と出会い、仲間を集めて箱根駅伝にトライするお話。毎年正月2、3日に開催される箱根駅伝は、関西の人間にとっては遠い場所のことだし、陸上のこともぜんぜん知らないけれど、テレビ放映される姿を毎年見ながら素敵で、いったいどんな世界なのか知りたくもあるし、何よりランナーたちが美しく感動的。だからわくわくしながらページをめくる。

絵に描いたようなボロ下宿とそこに住まう個性豊かな男たち。彼らはみなこの下宿に長く住む灰二が連れてきたものたちなのだが、満室まであと1人。それで10人。ある日銭湯帰りの彼の前を万引きして駆け去る一人の姿。その見事な走りっぷりに見惚れて着いて行った、それが走(かける)との出会いだった・・・。

駅伝といえばシード権を与えられた10校(前年10位以内に入った)と、そして予選で勝ちあがった10校の限られた20校しか出られない激戦であり、その予選もすごく厳しく、選ばれた20チームだけがああやって駅伝を走っているわけであり、そのチームも10人だけ。きっと常連校と呼ばれる大学のチームならばチーム内での競争も熾烈だろう。だからより選ばれた人間だけがあそこを走ってる。そんな中素人同然の人間(でも灰二が見込んだ人間たち)たちの寄せ集めチームが予選を勝ち抜き、本戦で襷をつなぎ続けられるのか?駅伝を毎年楽しみに見てるだけに、その知らない場所からはじまる物語はわくわくして仕方ない。

個人的にはやはり往路の5区が大好き。何よりも厳しい上り坂でこの数年繰り広げられるデッドヒートとゴールの芦ノ湖の美しさ、そこに死力を尽くしてたどり着くランナーたち。ぬくぬくこたつで見てる分にはすごく楽しいけれど、もしかすると彼らはもっと美しい世界を体験しているのかも。走っているものだけが感じられる世界。そんなものを垣間見させてくれるこの物語はとてもいい。

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