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江國香織 – 真昼なのに昏い部屋


江國さんも文庫化されている分はだいぶ読んでしまっているので、なかなか新しいものに出会わない(古本屋さんでは。普通の書店にいけばきっとまだまだある)。これは新しい本だけれどたまたま本棚にあって、すぐに手に取った。やっぱり江國さんは理屈抜きに好きだ。

このお話はいままで読んだ中では結構激しい(という表現は適切ではないが)感じのタッチ。ざくっと言ってしまえば不倫の話なのだけれど、その不倫をしてしまう主人公美弥子さんの頑固なまでのまっすぐさ加減(何に対してもきちんとしていようとする姿勢がすごい)が、逆に振れたときにその不利幅が大きくなる感じが、今まで江國さんの本で出会って来たどの人物よりもはっきりしている(なんと言うかうまく書けないけれど、いままでももっと強烈な話や濃いシチュエーションなんかはあったはずだが、この本ほど明白というか、色彩濃くないというか)あたりが、全然違うなーと思わせる。ある意味怖い。

でも、いままですごく安らかな位置にいて、守られていて、その世界をきちんと司り、万事上手く行くことに身も心も砕いていた人間が、そういう部分をすっとばして、自分が知らなかった自分の側面を見せてくれ、それをあまりにも強烈に共有できるような人間と出会ってしまったら、その元の世界から飛び出てしまうことも致し方ないのかもしれない(彼女はそれを「世界の外に飛び出してしまった」と言い、元の場所を「対岸」と呼んだ)。そういうことを経験する人間は少ないだろうし、そうやって現実を飛び越えられる人もそういないのかもしれないし。でも、そんな恋愛(これはあくまで恋愛のお話)もあっていいのかなと。江國さんが描くとどうしても何かどこかへんてこりんに歪んだ感じもしなくはないのだが、そんな風にも思える。

しかし濃い話だなぁ。一気読みしてしまった。

講談社文庫 2013

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