- 2018-06-20 (水) 10:43
- 本
はじめましての鈴木さん。男っぽい文章だなという印象。
学生時代からヨットにはまった主人公・船越は、いいヨットマンだったが若いときに預かっていた船を謎の原因で沈めてしまい、以来マリン関係の営業の仕事に甘んじ、ヨットから遠ざかっていた。不甲斐ない人生を歩む彼は突然妻から離婚を言い渡され、それを機に天気とするべく家を手放してヨットを買う。そこから彼の人生が大きく動きだす。
そんな彼のまえに、その謎の沈没を遂げたヨットの沈没位置を示す海図を示す女性があわられ、さらには昔付き合っていた女から生まれなかったはずの子供の存在を知り、やがては行方不明だった父の影までチラつき始める。船越は自分の人生を掴み直すため、出向することを決意する。
ミステリーぽくもあるけどハードボイルドな感じで(というわりには主人公は控えめだが)、知らない海の世界、ヨットの世界の話ということもあって楽しく読めた。でも基本的に海に潜る、とかはこわいので、ぼくにはないなあーという話なのだけれど、ところどころに差し込まれる美しい海の描写や、大海の真ん中で降るような星を眺める描写にはうっとりした。
新潮文庫 2003
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