重松清 – ブランケット・キャッツ

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重松さんで猫の本、となれば読んでしまうよねえ。何も思わずに手に取ったけれど、これちょっと前にNHKでドラマになったたものの原作。設定はだいぶ違ったけれど(飼い主というか猫の世話主側のドラマが結構盛り込まれていた。この本は猫とその借主ばかり)。こっちのほうが面白いかも。ブレてなくて。

ブランケット・キャットは子供の頃から馴染んだ毛布さえあればどこでも落ち着いて眠れるように訓練された猫のことをいうそう。賢く、おとなしく、人に懐く猫にしか資格はない。そういう猫をレンタルしている場所があって、その猫たちを特色ある人たちが借りていく。借り先で猫をめぐるドラマが展開される。

子供のいない夫婦が猫を借りた、それは彼らの子供の代わりなのか?世間とはずれてしまったと考える2人が猫を通して感じたことは「花粉症のブランケット・キャット」。真面目一筋で働いて来たのにふと魔が差して横領を、そしてお気に入りの猫をつれて旅へでる「助手席のブランケット・キャット」、父親がやたらと強がる家庭の子供がいじめに加担している「尻尾のないブランケット・キャット」などなど、7つの短編。

どれもなんでもないけれど、猫を通して家庭や人間が見えてくる。ドラマとはいわないけれど、誰にもある何か、それを猫が現れたことにより浮き彫りにされる。どの猫も賢くていいな。うちのバカやからなー。

朝日文庫 2011

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