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2019-04

新譜できました!

20190430

昨年12月8日に京都のルクラブジャズでライブ録音したものが完成しました!2012年、2014年と松本で行ったライブ盤と同じ、松本を拠点とする信州ジャズ民という方々のプロデュースです。今回は2ステージ分の演奏を厳選して、CD収録ぎりぎりいっぱいの80分ほどにまとめました。ライブの生々しさ、緊張感が味わえる作品になったと思います。自分の演奏はまだまだの部分もありますが、これがいまの偽らない自分の演奏だと思います。ぜひたくさんの方々に聞いていただきたいです。ライブにも持ち歩いていますし、DISKUNIONでの取り扱いも始まりましたよ。

takei4leclub

武井努QUARTET~
Shinsyu Jazz Min Live Series 京都 le club jazz編

[member]
武井努 sax
牧知恵子 pf
萬恭隆 bass
中村雄二郎 drums

[songs]
1. Stella By Starlight
2. Alfie
3. おひるね猫さん
4. That Sunday, That Summer
5. アラレとアトムのテーマ
6. En La Orilla Del Mundo
7. いちびる
8. Straight No Chaser

\2,000 tax in
2019/4/25 CDR

disk union >> https://diskunion.net/rock/ct/detail/1007901446

打海文三 – ぼくが愛したゴウスト

gousuto

初めましての打海さん。全然今まで知らなかった作家さんだったけれど、伊坂さんが好きな作家さんにあげてたのと、前に読んだ「3652」というエッセイの中でこの本を取り上げていたこともあり、手に取ってみた。

主人公は臆病で真面目な11歳の翔太。夏休みのある日ひとりでいったアイドルのコンサートの帰り道、駅での人身事故に身近に遭遇した時から世界に違和感を感じるようになる。両親が、姉が、そしてまわりの人々が「臭い」。どこか笑顔がぎこちない感じがする。。。。そんな中、その事故のときに翔太に声をかけて来てた謎の男が現れ言った「俺たちは迷い込んだらしい」。

どうやら元の世界と隣接している並行世界に何かの拍子に移動してしまったらしい、といっても何の確証もない。わかるのはその男ヤマ健と翔太の感覚だけ。家族に相談するが理解されず、逆にいぶかしげられた翔太は国から追われる立場に。そういった迷い込んだ人物は自分たちだけではなく、昔から少しずついたらしい。。。。彼らは元の世界に戻れるのか?翔太の成長と旅立ちの物語。

実際SFサスペンスぽい側面が大きくて、いったいこの先どうなるんだろう?とワクワクしながら読み進むのだけれど、この物語の大きなテーマはそういうSFという部分じゃなくて、人間ってなんだろう?コミュニケーションって何だろう?という部分だと思う。翔太が迷い込んだらしい世界(これについても結局確証は得られない)にいる人々は、元の世界の人々とそっくりで、翔太の両親も姉も友達もいて、世界自体も全く同じ。違う点は匂い(それはし進化の途中で分かれた分泌物の違いによるものじゃないかと推測)、そして本人たちも認識している「心がない」ということ。

「心がない」、でも言葉と態度でコミュニケーションはできる。何かに対して感情的なアクションもある。「心がある」とは自分に何か起こったときにそれにリアクションをする自分を見つめる自分がいること(、、、らしい)。行動の元になる感情を感じる自分が自分の中にいるということ。迷い込んだ世界の住人たちは同じリアクションしたとしても、それはそうすべきだからであり、単なる反応であるらしい。でもそれはそれで世界は成り立っているし、恋愛はあるし、喧嘩もある。その世界の研究者はこういう意味のことを言う「世界はすべて演技。そういう反応をしたほうがいいから、そういう反応をするのだ。そこに心はない」

じゃあ、心ってなに? 実際、有機物の活動(人間も動物も植物もみんなそうだ)から「心」という概念が発生することを証明したものはいない。なのに、僕たちは「心」というものの存在を感じている、または、信じている。翔太とそれを取り巻く世界の物語を通して、心って何だろう?ぼくたちが生きていってるなかで感じる感情ってなんなのだろう?という問いをされる作品である気がする。

まったくうまく感想をかけない、、、伊坂さんの解説がとても分かり良くていい。とにかく物語としてはとても面白く、翔太の成長もうれしく、、、でもすべてが安心、丸く収まるわけじゃないけれど、なにか希望がもてる物語だった。打海さんの作品ほかも読もう。でも打海さんは2007年に急死してしまっている。

2008 中公文庫

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重松清 – ブランケット・キャッツ

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重松さんで猫の本、となれば読んでしまうよねえ。何も思わずに手に取ったけれど、これちょっと前にNHKでドラマになったたものの原作。設定はだいぶ違ったけれど(飼い主というか猫の世話主側のドラマが結構盛り込まれていた。この本は猫とその借主ばかり)。こっちのほうが面白いかも。ブレてなくて。

ブランケット・キャットは子供の頃から馴染んだ毛布さえあればどこでも落ち着いて眠れるように訓練された猫のことをいうそう。賢く、おとなしく、人に懐く猫にしか資格はない。そういう猫をレンタルしている場所があって、その猫たちを特色ある人たちが借りていく。借り先で猫をめぐるドラマが展開される。

子供のいない夫婦が猫を借りた、それは彼らの子供の代わりなのか?世間とはずれてしまったと考える2人が猫を通して感じたことは「花粉症のブランケット・キャット」。真面目一筋で働いて来たのにふと魔が差して横領を、そしてお気に入りの猫をつれて旅へでる「助手席のブランケット・キャット」、父親がやたらと強がる家庭の子供がいじめに加担している「尻尾のないブランケット・キャット」などなど、7つの短編。

どれもなんでもないけれど、猫を通して家庭や人間が見えてくる。ドラマとはいわないけれど、誰にもある何か、それを猫が現れたことにより浮き彫りにされる。どの猫も賢くていいな。うちのバカやからなー。

朝日文庫 2011

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YUKIGUNI

yukiguni

初めて十三にある第七藝術劇場というミニシアターにいく。この劇場があるビルにはたまに来るスタジオがあってこの劇場の存在を知ってたけど、なんか怪しげだなーとおもってたけど、いいシアターだった。個人経営かそれに近い感じ、スクリーンは1つだけで、なんか講堂みたい。椅子はだいぶくたびれてたけど(座った席が人気あるところだったから?)居心地はよかった。

友人に勧められてた「YUKIGUNI」という映画を見る。山形の酒田市にあるケルンという喫茶そしてBar、そこに92歳で現役バーテンダーの井山さんというかたがいらっしゃって、彼は60年前に「雪国」というカクテルを生み出した人。この「雪国」は当時の寿屋(いまのサントリー)のコンテストで優勝し、いまや世界的なスタンダードカクテルになっているそう。ほとんどのカクテルが19世紀に考えられたものである中、近年つくられてスタンダードカクテルになるというのは全世界のバーテンダーの憧れだそう。そんな井山さんとケルンというお店と、そしてカクテル「雪国」にまつわるドキュメント映画。

バーテンであること、スタンダードカクテルというもの、井山さんという人物、カクテル「雪国」が生まれた逸話などをいろんなバーテンやお店の人、井山さん自身、彼の子供達が語る。そしてその背景にある井山さんのこれまでの人生、奥さんのこと、お店の変移。ほんとなんでもないドキュメントなのに、小林薫さんの語りと、バックに流れるバラードばかりのジャズ(同じ酒田出身の後藤輝夫さんというテナーの方が吹いてる)が時間をゆったりさせ、まるでバーの止まり木にいてバーテンさんの話をゆっくり聞いている気持ちになって来る。本当にカウンターに立つのが好きで、人と会うのが好きで、という井山さんが身近に感じてくる。いやー、素晴らしくいい映画だったな。こういう感触がする映画はなかなかシネコンとかではかからないもんなあ。長くない上映時間なのにカクテル「雪国」といっしょに60年過ごしたような気分になった。

いい映画だった。あまり上映館や期間は多くないけど、ぜひ。

映画「YUKIGUNI」公式サイト

美智子 – 橋をかける

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皇后美智子さまが1998年の秋にインドのニューデリーで開催された、国際児童図書評議会にビデオテープによって公演された内容を書き起こしたもの。「子供時代の読書の思い出」と題して、美智子さまの幼少時代から戦時中の疎開、そのあと母になってからも、本を通じて人生にどういう影響があったか、などを語ってくださる。子供に本を手にとってほしい、そこから人生の喜怒哀楽を知ってほしい、人生は簡単じゃないけれど子供の時にいい本に出会うとそこから人生の悲しみとそれに立ち向かう勇気、世界へ羽ばたく羽根をもらえると諭してくれる。本が読みたくなるお話でした。いいお話です。薄い著書で、半分はその英訳。

すえもりブックス 1998

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山本幸久 – 床屋さんへちょっと

tokoyasan

山本さんを読むのは若い女の子の漫才コンビを扱った「笑う招き猫」以来かな。なんか文章から伝わってくる優しい波動が似ている。なので安心して読める感じ。なんだろう、悪いことがあったとしてもきっと救いがある、とか思える感じ。

この物語はある一家のお話。若い頃に先代が起こした菓子メーカーを継いだものの10年ほどで潰してしまった2代目、その妻、父に似て短気な娘、そしてしっかりしたその息子。彼らが「床屋」をキーワードにいろんな物語を紡いで行く。よくできてるなーとおもうのは、各短編が時系列的に遡る形になってること(最後の一つだけ違う)。なので一家の辿ってきたことが昔話を思い出すように繋がって行く。終活のために墓地を見に行く2代目、ふと帰り道に昔通った床屋を見つける。そこは会社の跡地の近くだった「桜」、娘が突然結婚すると言い出した彼となぜか二人で旅する羽目に「梳き鋏」、再就職した会社から海外視察にいった先で紹介された床屋は普通の店ではなく「マスターと呼ばれた男」とかとか、どれもいいお話ばかり。不運もあったけれ真面目に働いてきた男と、実は天然で面白い妻、思い通りにいかなくてもめげない娘、しっかりした孫、彼らがほんと微笑ましくて羨ましくなる、あったかい物語。

山本さんいいな。ほっこりする。重松さんも好きだけど、そこまで懐古的でなくて等身大な清々しさというか。他の本も読みたい。

集英社文庫 2012

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Pedro Giraudoツアー

Pedro tour

先週のことになりましたが、ベーシストのPedro Giraudoさんのツアーが無事終わりました。

彼はNY在住で、その音楽はジャズのフォーマットの上に乗っているけれど、自身の出身であるアルゼンチンの色が濃く出ていて、さらにそこにいろいろなものが見事に融合していました。当初譜面を見た時は不安になる程の難しさでしたが、5日間のリハーサルや演奏を通してバンドもよくなっていったし、何より彼の音楽を少しずつ理解していって、それが演奏に反映されていくのがとても楽しかったです。

彼の音楽に対するイメージはすごくはっきりしていて、演奏上の細かなニュアンスや自分が鳴らしている音やフレージングの考え方について実に細かく指摘してくるのが印象的でした。また昨年少しだけ共演したボースフューレンのときに感じたのと同様に、意外に小さい音で演奏するということが大事なのだと強く意識させられました。

実際あまり大きくない音での演奏のほうがリラックスするし、楽器自体もいい音で鳴らせられるし、アンサンブルもしやすいです。とくにこういうアコースティックな音楽はステージ上でもほぼ生で演奏したほうが結果的にいい音になるので、アンプやモニターをなるべく使わず、人間の力だけでバランスをとったほうがやり易くていいアンサンブルになります。若い時はレコードで聴いた印象だけで音の大きさ=迫力みたいに勘違いしていましたが、実際の迫力はダイナミクスとアンサンブルの作り方であって、より大きな音を目指すのではなく、よりよい小さい音を目指した方がダイナミクスはつけやすいということに今更ながら気づかされました。

本当にいい経験になりました。こんな機会を作ってくれたプロデューサーでもある広瀬くんや高橋くん、李くん、ありがとうございました。今の関西のジャズシーンをいろいろ広げてくれているのは彼らの世代の努力と行動です。ほんと頭が下がります。僕らももっと力になれたらと思います。またこういう機会があればぜひ参加したいです。

[猫日和] うたまろ1st Birthday!

 

maro1stBDさっきまで覚えてなかった(というか知らなかった)のだけれど、今日4/8はうたまろの誕生日でした。お釈迦様と同じ。あ、書きながら、以前このこと話したような気がして来た。なんせ、うたまろおめでとうー!やんちゃすぎて困るけど、甘え上手で可愛い子です。これからもよろしくね。Pをいじめないでね!

[猫日和] かまたま19thHBD

kama19th

 

かま、19回目のお誕生日おめでとう!今日も空の上で美味しいもの食べてだらだらしてるかな。写真を見るたびにいろいろ思い出す。少しざらっとした毛並みとか、匂いとか。懐かしい。会いたいよ。

桐野夏生 – 水の眠り 灰の夢

mizunonemuri

これまたずいぶん前に読んだので備忘録的に。

高度成長期、オリンピックの少し前。東京の下町。フリーの週刊誌記者村野は目の前で地下鉄爆破事件に出会う。折しも草加次郎という連続爆弾魔が世間を賑わせていたため、彼はその関連を追う。そんな彼だったがなぜか彼は女子高生殺人事件の容疑者にされてしまう。その汚名をはらすべく村野は執念で女子高生の殺人の真相を、爆発の真相を追う。

泥臭い事件ものでいい感じ。僕も下町の工場町で育ったのでこういう雰囲気は好きだし、いかにも昭和の有象無象な時期というのは、文章を読んでいるだけで雰囲気が思い出されて、懐かしい気持ちになる。話はとても暗くてかなしいかんじだけれど。

文集文庫 1998

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