Pedro Giraudoツアー

Pedro tour

先週のことになりましたが、ベーシストのPedro Giraudoさんのツアーが無事終わりました。

彼はNY在住で、その音楽はジャズのフォーマットの上に乗っているけれど、自身の出身であるアルゼンチンの色が濃く出ていて、さらにそこにいろいろなものが見事に融合していました。当初譜面を見た時は不安になる程の難しさでしたが、5日間のリハーサルや演奏を通してバンドもよくなっていったし、何より彼の音楽を少しずつ理解していって、それが演奏に反映されていくのがとても楽しかったです。

彼の音楽に対するイメージはすごくはっきりしていて、演奏上の細かなニュアンスや自分が鳴らしている音やフレージングの考え方について実に細かく指摘してくるのが印象的でした。また昨年少しだけ共演したボースフューレンのときに感じたのと同様に、意外に小さい音で演奏するということが大事なのだと強く意識させられました。

実際あまり大きくない音での演奏のほうがリラックスするし、楽器自体もいい音で鳴らせられるし、アンサンブルもしやすいです。とくにこういうアコースティックな音楽はステージ上でもほぼ生で演奏したほうが結果的にいい音になるので、アンプやモニターをなるべく使わず、人間の力だけでバランスをとったほうがやり易くていいアンサンブルになります。若い時はレコードで聴いた印象だけで音の大きさ=迫力みたいに勘違いしていましたが、実際の迫力はダイナミクスとアンサンブルの作り方であって、より大きな音を目指すのではなく、よりよい小さい音を目指した方がダイナミクスはつけやすいということに今更ながら気づかされました。

本当にいい経験になりました。こんな機会を作ってくれたプロデューサーでもある広瀬くんや高橋くん、李くん、ありがとうございました。今の関西のジャズシーンをいろいろ広げてくれているのは彼らの世代の努力と行動です。ほんと頭が下がります。僕らももっと力になれたらと思います。またこういう機会があればぜひ参加したいです。

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